MotoGPの新レギュレーションが発表。2027年からエンジンが850cc化、エアロダイナミクスも規制強化
MotoGPは5月6日に、2027年以降に導入される新しいテクニカルレギュレーションの詳細を発表した。 【動画】MotoGP2024 第4戦スペインGPハイライト motorsport.comでも昨年から報じてきたように、新たなテクニカルレギュレーションの目的には、安全性を確保するために高速化するマシンの速度域をできるだけ下げることが含まれていることが分かっていた。 そして6日に発表された新レギュレーションでは、既報のとおりエンジン排気量の1000ccから850ccへのサイズダウンと、エアロダイナミクスの規制強化が盛り込まれた。 MotoGPは2007年にエンジンを800cc化したが、これは非常に評判が悪く、2012年には1000ccへサイズアップされている。ただ、今のMotoGPマシンが高速化する中、多くのサーキットで安全性を向上するために再び排気量を小さくする方向へ進んだ。なお年間に使用可能なエンジン基数も、現行の7基から6基へと削減される。 また既に発表済みだったが、燃料が2027年からは100%持続可能な燃料となる(2024年は40%)。加えてタンク容量も2リットル削減された20リットルへと改められた(スプリントは1リットル減少の11リットル)。マシンの最低重量も、現行から4kg減の153kgとなる。 2027年の新レギュレーションでもうひとつ重要な改定は、エアロダイナミクスに関する点だ。 近年、エアロダイナミクス開発はMotoGPにおける重要な開発領域となっているが、この領域が発展するとともに、オーバーテイクや接近戦が難しくなっており、レースのスペクタクル面では悪影響も発生してしまっている。 改定によって、エアロダイナミクスはフロントフェアリングの上部幅が狭くなり(現行600mmから550mmへ)、ノーズ位置が50mm後退。ストレートやブレーキングエリアでの空力効果の減少によって、より接戦を増やそうとしている。 なお今は自由に開発ができるマシンのテール部分も、2027年からホモロゲーションの対象となり、年間のアップデート回数が1回へ制限される。サイズも後端の最大地上高が1250mmから1150mmに低くなった。 またライドハイトデバイスとホールショットデバイスも規制を受ける。既にフロントのライドハイトデバイスはスタート時以外の使用は規制を受けているが、これらのデバイスは2027年から全面的に禁止となる。 2024年にスタートした新しいコンセッション(優遇措置)制度は、今後も継続される。ただ2027年に新世代のレギュレーションとなるため、全てのメーカーがBランクでのシーズン開幕となる。2026年までに参戦していなかったメーカーが参戦する場合は、最も優遇を受けるDランクへ割り当てられる予定で、その後シーズン中盤にランクが改められる。 それ以外にもセッション後に全てのライダーからのGPSデータを全てのチームが利用可能となることが定められた。