ひろゆき&リュウジのバズ論破トーク⑮ 実は2ちゃんねらーだったリュウジの秘密!【この件について】
ひろゆきがゲストとディープ討論する『週刊プレイボーイ』の連載「この件について」。今回は、料理研究家のリュウジさんを迎えての最終回です。リュウジさんが実は「2ちゃんねる」で料理を勉強していたことや、レシピをバズらせるコツなど、これまであまり話していない秘密を教えてくれました! 【写真】「僕がほかの料理研究家と違うのはコピーライターとしての能力かもしれません」と語るリュウジ *** リュウジ(以下、リュウ) この対談の最終回に言おうと思っていたんですけど、僕って昔「2ちゃんねらー」だったんですよ。料理板に常駐していました(笑)。 ひろゆき(以下、ひろ) マジすか(笑)。でも2ちゃんねる(現5ちゃんねる)以外にも料理のサイトはあるじゃないですか。 リュウ 2ちゃんの料理板はほかのサイトと比べて情報の質がいいんですよ。今のレシピ作りに転用している情報も多くて、例えば、ナポリタンの作り方は2ちゃんで勉強しました。 ひろ 素人からすると「ナポリタンの作り方って、ケチャップとこしょうを入れるくらいじゃね?」みたいな感じですけど、けっこう違うんですか? リュウ 当時の2ちゃんには変態的に料理にこだわる人がいて、その人はナポリタンの材料を分解して役割を考えていたんです。 ひろ じゃあ、ナポリタンによく入っているピーマンはどんな役割になるんですか? リュウ 香りです。ピーマンは炒めすぎるとダメで、ミディアムレアくらいに仕上げるんです。すると、噛んだときにシャキッとしてピーマンの香りが感じられる。で、「ああ、ナポリタンを食っている」みたいな気持ちになる。 ひろ なるほど、そうやって材料ごとに何が目的かを考えることで、適切な調理法もわかるんだ。 リュウ 人気マンガの『鋼の錬金術師』では、錬金術の基本は「理解・分解・再構築」と言っているんですよ。 ひろ はいはい、ありましたね。 リュウ それは料理も同じで、まず食べて味や構造を理解する。で、次に「この材料や工程はなんで必要なのか?」と分解していく。そして「自分的には香ばしさはいらないから、これは焼かないでゆでよう」と再構築する。するとオリジナルレシピができるんです。2ちゃんでその考え方を知って、それが今の僕のレシピ作りに大いに役立っているんですよ。 ひろ じゃあ、ナポリタンのピーマンも場合によっては入れないんですか? リュウ はい。昔ながらの喫茶店風のナポリタンにしたいならピーマンは欠かせませんが、例えば「シェフが本気で考えたナポリタン」なら、むしろピーマンはいらないですよね。 ひろ この「理解・分解・再構築」はリュウジさん以外の料理研究家の人もやっているんですか? リュウ やっている人がほとんどだと思います。むしろ、それをやらないと新しいオリジナルレシピは作れませんから。 ひろ 一方で、料理研究家は多くの人がまねできるように簡単なレシピにする必要もあるじゃないですか。すると、材料や工程は少なくしたほうがいいという思考になって、似たようなレシピだらけになりません? リュウ そうですね。そこで僕がいつもやっているのは「物語」を加えることなんです。例えば、「前にふらっと入った喫茶店のナポリタンにめっちゃ感動して、そのお店と同じ味にしてみました!」みたいな打ち出し方をする。ほかには「本場のフランスではこれが当たり前です!」みたいな感じで言うと、途端に説得力が生まれますよね。で、多くの人に「だったらやってみるか!」と思ってもらえるようにする。 ひろ いわゆる「情報を食う」というやつですね。単純に素材の味や料理の味つけではなく、産地やこだわり、評判や人気店かどうかみたいな〝情報〟を食べさせるということですね。 リュウ そうですね。