ある湖畔の風景をモノクロに切り取り、タイトルだけが奇妙に浮かび上がる原作の書影

発行部数30万部突破、日本全国で話題沸騰中の小説「近畿地方のある場所について」の映画化が決定。2025年内の公開を予定している本作から、特報映像が公開され、あわせて監督、原作者からのコメントが到着した。 【写真を見る】家族の命を奪った霊に復讐するというエクストリームな展開で話題を呼んだ『サユリ』 2023年1月、Web小説サイト、カクヨムに第一話が投稿されるとSNSで話題となり、小説の世界観に引き込まれた読者の間で熱を帯びた議論が巻き起こった背筋による小説を映画化する本作。原作は、瞬く間に注目作として話題になり、連載が続くにつれて若年層を中心にファン層を拡大し続け、累計2000万PVを超えるヒットを記録した。同年4月に最終話となる第34話を投稿後、同年8月に単行本化されると、たちまち人気が爆発。消息を絶ったオカルト雑誌の編集者が調べていたという、近畿地方のある場所にまつわる過去の編集記事や、彼がなぜ消息を絶ったのか、いまどこにいるのかなど、様々な謎に迫っていく。 解禁された特報映像は、原作書影のイメージを大きく映しだしたもの。ある湖畔の風景をモノクロームに切りとられるなか、不気味に本作のタイトルが読み上げられている。 製作を務める櫛山慶プロデューサーはWebで発表された原作小説を読み、「2000年代に掲示板の怪談スレッドに興奮した感覚がよみがえってきた」と映画化を熱望。そんな衝撃作の監督を務めるのは、ホラー映画の新たな名作と呼び声も高いヒット作『サユリ』(24)を手がけた鬼才、白石晃士。白石監督は「原作の得体の知れない黒い魅力を、世界中の人々に感染させるべく、映像化という呪術を仕掛けていきます」と意気込みを語っている。 また、原作者の背筋は自著の初映画に際してのコメントも到着。背筋は「私は長年白石作品に魅了され続けていました。それに飽き足らず、作品から得た恐怖を再現するべく、自ら書いてみようと思いました。気づけばそれは『近畿地方のある場所について』という題名で書籍になっていました。この最大級のラブレターを白石監督がどのように料理してくれるのか。期待に胸を膨らませつつ、私も原作者として力添えができればと思っています。映画を楽しみにしてくれるであろう同士の期待に応えるためにも」と期待を寄せている。 2025年1月に撮影開始となり、同年中の公開を予定している。話題を呼んだ原作をどのように映画化するのか？今後の続報からも目が離せない。 ■＜スタッフコメント＞ ●背筋(原作者) 「私は長年白石作品に魅了され続けていました。それに飽き足らず、作品から得た恐怖を再現するべく、自ら書いてみようと思いました。気づけばそれは『近畿地方のある場所について』という題名で書籍になっていました。この最大級のラブレターを白石監督がどのように料理してくれるのか。期待に胸を膨らませつつ、私も原作者として力添えができればと思っています。映画を楽しみにしてくれるであろう同士の期待に応えるためにも」 ●白石晃士(監督) 「映画に行きませんか。タイトルは『近畿地方のある場所について』といいます。原作の得体の知れない黒い魅力を、世界中の人々に感染させるべく、映像化という呪術を仕掛けていきます。どうぞ、ご期待下さい。このコメントを見てくださって、ありがとうございます。この映画を見つけてくださって、ありがとうございます」 ●櫛山慶(プロデューサー) 「2000年代、掲示板の怪談スレッドに没頭した日々。その興奮が『カクヨム』で本作に出会った瞬間、鮮明に蘇りました。映像化を決めた際、真っ先に声をかけたのは『ノロイ』の白石晃士監督。奇妙で底知れない断片を、監督がどう映像化するのか、私自身震える思いで製作中です。ただひとつ言えるのは、この映画はただのエンターテインメントではありません。映画として届ける覚悟が必要な、強い“想い”が宿る前代未聞の作品です。ぜひ、その覚悟を期待してお待ちください」 文/鈴木レイヤ