「キャンパス移転」で他学部の授業を履修、増える外部講師…学生の学びに大きく影響
専門家の技術を間近で見る機会も
他大学の事例を見てみましょう。中央大学は23年4月に法学部を多摩キャンパス(東京都八王子市)から新設の茗荷谷キャンパス(東京都文京区)に移転しました。 移転によって、法学部と駿河台キャンパス(東京都千代田区)にあるロースクール(法科大学院)が同じ地下鉄の路線でつながって法曹教育の連携がしやすくなり、近隣の理工学部(後楽園キャンパス)、国際情報学部(市ケ谷田町キャンパス)との領域横断の研究・教育も展開しやすくなりました。 北海道医療大学は28年4月、プロ野球・北海道日本ハムファイターズの拠点であるエスコンフィールドを中核とする複合施設「北海道ボールパークFビレッジ」(北海道北広島市)に、キャンパスを移転することを予定しています。北海道当別町にある現キャンパスから、札幌市へのアクセスがより良い新キャンパスに移転することで、交通の便が向上するだけでなく、学生が教室以外で学ぶ機会が増えることも期待されています。 「医療系の大学は上の学年になると、病院や福祉施設、薬局などの現場で学ぶことが常になっています。スポーツ施設があれば、薬学部ならドーピング問題の研究、歯学部ならボクシングやアメフトの選手に必要なマウスピースの製作、看護福祉学部やリハビリテーション科学部なら障がい者スポーツや故障した選手の理学療法など、本学の学びを間近で見られる機会も多くなる。いろいろな面で、学生と専門家が一緒に研究したり、実践したりということができるようになればと期待しています」(鈴木英二理事長) 最近キャンパスを移転したり、移転を予定したりしている大学であれば、進学先の学部の周りにはどんな学習環境が広がっているのかを知ることも重要です。 (文=小泉耕平)
朝日新聞Thinkキャンパス