「キャンパス移転」で他学部の授業を履修、増える外部講師…学生の学びに大きく影響
企業から講師を招く
法政大学ではこうした学び方を学生たちにより体系的に行ってもらうため、「サティフィケートプログラム」という制度を設けています。「SDGs」「アーバンデザイン」「ダイバーシティ」など5つのプログラムから、それぞれの要件に従って学部をまたいだ科目を履修し、設定された課題に取り組むなどすることで、サティフィケート(デジタル証明書であるオープンバッジ)が発行されます。サティフィケートは就職活動などでも学習履歴として示すことが可能です。 「1つの分野を究めることは重要ですが、学生たちには社会に出た時に備えて、幅広いジャンルを学ぶことで、2つないしは3つ自分の強みを作ってほしいと考えています。これから大学を選ぶ方々には、自分が進学する学部以外の授業も受けることができるのか、自分が通うキャンパスには他にどんな学部があるのかも、ぜひ考慮に入れていただきたいですね」(同) また、経済学部が企業の本社ビルなども多い都心のキャンパスに移転することで、産学連携がこれまで以上に強化されることも期待されます。 たとえば、オフィス街やターミナル駅との距離が縮まることで、ビジネスの現場で活躍している人を講師として招きやすくなります。学生が企業のインターンシップに参加する際や、就活での利便性も増し、勉学との両立もよりスムーズになると考えられます。 キャンパス移転は都心の魅力ばかりが注目されがちですが、法政大学が目指すのはあくまで3キャンパスそれぞれの魅力を高めていくことです。小秋元副学長は「2030年以降も改革は継続される」と、次のように語ります。 「社会学部、現代福祉学部、スポーツ健康学部が入る多摩キャンパスは、広大な敷地を生かしてスポーツや健康に関する学びを促進すると同時に、現代社会の地域課題を解決できるような学びや研究もできる場としてさらに強化していきます。理工系の学部が集まっている小金井キャンパスについては、実習、実験をより安全に行えるように施設の充実化に努めていきます」