なぜ2人は電車にはねられたのか? 「いつか事故が起きる…」地域住民が不安視していた“危険な踏切” 現地ルポ
●思いのほか静かな電車の走行音
記者が特に驚いたのが「音」だ。 仮に踏切の中に立っていても、電車が近づいてくれば走行音で気づくのではないかと考える人がいるかもしれない。記者もそう思っていた。 しかし現場を訪れると、思いのほか近づいてくる電車の音が静かなことがわかった。確かに踏切の上を通る時は「ガタンゴトン」と大きな音がするのだが、その直前までは想像していたほどの騒音がなかった。 そのうえ、近くの車道をトラックやバイクがひっきりなしに通り過ぎ、車の走行音も聞こえる状況のため、イヤホンで音楽を聞いたり電話したりしていれば、音だけで電車が近づいていることに気づくのはかなり難しいと感じた。 警報機が鳴りはじめて遮断機が降りるまでは15秒ほどしかなく、小走りで踏切を渡っていく人たちの姿が目立った。 踏切を渡っている途中に警報機が鳴りはじめた時のことを考えると、車椅子の利用者や高齢者がこの踏切を利用するのは命の危険がありそうだ。
「キケン‼︎小学生はこのふみきりをわたってはいけません」 踏切の北側にはこんな注意を呼びかける看板が立っていた。
●地元住民「もっと広くしてほしい」
今回の事故のニュースについて、近くに住む女性は「やっとやなぁという感じ。子どもだけで通るのは危ないし、待つ場所が狭いので、いつかは事故が起こるかなと思っていたので、やっぱりなって」と話した。 この踏切を使わない回り道には10~15分ほど余計に時間がかかるといい、「みんな通る道なので、もっと広くすればいいのになと思います」と語った。 別の男性も「遮断機が降りると待つところがなくなって、目の前には車も通るので、事故はありえる」と述べた。