無名だったミルクボーイ推して大当たり…劇場で才能見抜いたプロデューサー「今年のM―1で決勝に行く」と猛プッシュ
2人は、M―1王者になった後で事情を知り「無名の僕らを推してくれていたなんて」と喜んだ。20年3月、「ミルクボーイの煩悩の塊」が始まった。
上ノ薗が、ラジオ業界に入ったばかりの頃に先輩から授かった二つの教えがある。劇場に足を運び、自分の目で見て面白いと思った芸人をキャスティングすること。そして、「裏方たるもの、芸人を温められないとダメだ」ということだ。
昭和の時代は、芸人がスタッフと雑談で盛り上がり、そのテンションのままラジオブースに入るものだった。平成に入り「楽屋でしゃべる芸人はダサい」という風潮に変わり、スタッフも寡黙になっていったが、上ノ薗はあえて昭和のスタイルで話しかける。「だって盛り上がった状態でスタジオに入る方がいいじゃないですか」
売れっ子芸人誕生の傍らには、芸人のエンジンを温める昔かたぎの裏方がいる。 (吉田清均)
1967年に始まり根強い人気を誇るのが、ニッポン放送系の「オールナイトニッポン」(ANN)とMBSラジオの「MBSヤングタウン」(ヤンタン)。ANNでは笑福亭鶴光やビートたけし、ヤンタンでは六代桂文枝(当時は桂三枝)や明石家さんま、笑福亭鶴瓶らが個性を発揮した。舞台とはひと味違う芸人の素顔が見えるのが魅力だ。
近年は、ラジオ局が地上波ラジオに加え、インターネットを使った「ポッドキャスト」にも積極的に番組を配信している。ファンにとっては、過去回も含めて、どこにいても好きなときに聴けるのが利点だ。