スーパーGT、『レースクイーン』の性別指定を撤廃し『レースアンバサダー』に呼称変更。シリーズにおける重要な存在……その役割を再定義
スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは岡山国際サーキットで行なわれた公式テストの初日に記者会見を実施。その中で『レースクイーン』の呼称変更が明らかにされた。 【リザルト】スーパーGT岡山公式テスト:セッション4タイム結果 レースを盛り上げる存在のひとつとして、業界で長らく活躍してきたレースクイーン。しかし多様性が求められる昨今において、GTAは性に偏りのある『クイーン』という表現、そしてレギュレーションでの性別指定を改めることになった。 これまでスーパーGTレギュレーションのレースクイーン運用規定では、「チームスタッフとは明らかに違うスポンサー企業ロゴの入ったコスチューム、またはそれに類似した衣装を着用し、大会会場でプロモーション活動に従事する女性をレースクイーンと規定する」、「着ぐるみなどの企業キャラクターはレースクイーンとは規定しない」としていたが、2024年版では性別に関する記述がなくなり、着ぐるみなどの企業キャラクターもこれらの定義の中に含むことが可能となった。 またレースクイーンの新名称については当初、『レースアテンダント (仮称)』とされていたが、GTAはこれを『レースアンバサダー』とすることを明らかにした。 そのレースアンバサダーの役割・位置付けについては、改めて次のように定義された。 1. ファンや観客との交流を通じ、チームスポンサー企業のブランドや製品の認知度向上に寄与 2. 所属チームの応援団として当該チームの PR活動や認知度拡大に貢献 3. スーパーGTに参戦するエントラントの一員として、SUPER GTシリーズの認知度向上、ファン拡大に寄与 スーパーGTではこの呼称が開幕戦岡山から使用され、場内放送等の公式の情報発信では新名称が用いられる。しかしGTAは新名称について、個別のユニット名や、関係者らによる発信の際に呼称変更の強要は規制はしないとして、あくまでGTA発信のものについて呼称を変更すると説明した。 そしてGTAが強調するのは、今回の呼称変更によって従来のレースクイーン(レースアンバサダー)の役割や存在意義を変更するものではないということ。「日本のモータースポーツ業界におけるひとつの文化として、むしろそれらを継続しつつ、それぞれの個性や才能を発揮しやすい環境づくりを目的とするもの」としている。 GTAの坂東正明代表も会見で「我々は(従来のレースクイーンを)エンジニアや監督らと同様に職種のひとつとして必要と思っていますが、チームやスポンサーなどに対する認知度を上げるという形で、シリーズに貢献する職種のひとつであってほしいと思っています。(レースクイーン制度を)撤廃するだとか、そういう事ではなく、一緒に仕事をする仲間として思いを共有する……その環境を作ろうということです」と語った。
戎井健一郎
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