【特集】シナリオライターが遊ぶ『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』―今再び、先帝の無念を晴らす! SFCの名作RPGを遊ぶ
ビデオゲームに秀逸なシナリオが盛り込まれ、それを読み解くことも遊びの一部として受け止められるようになった現代……本連載記事では、古今東西のビデオゲームを紐解き、優れたゲームシナリオとは何かを考えていきます。第14回は『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』を取り上げます。 【画像全9枚】
本稿は『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』のネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
1993年にSFCで発売されたスクウェア・ソフトのRPG『ロマンシング サ・ガ2』。LV制の廃止、閃きや陣形、フリーシナリオに皇帝の継承など、どこを切り取ってもユニークで面白いRPGです。
この度、10月24日にフルリメイク作品『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』として、不死鳥の……いや、リヴァイヴァのごとく蘇りました。バトルシステムについて話すだけで数時間は持つほど奥深いゲームですが、今回はそのシナリオについて考えていきましょう。
主人公は北バレンヌ地方でバレンヌ帝国を治める皇帝レオンです。この時点で、同社の看板シリーズ『ファイナルファンタジー』のカウンターという感じがプンプンしますね。フリオニールやカイエンを苦しめた「帝国」ですが、玉座を温める人物がどんな者かによって善にも悪にもなれるというのが、このゲームを遊ぶことでよくよく理解できます。
……まあ、本作の皇帝も必ずしも善行ばかりするとは限りませんが……。
さて『ロマサガ2』の世界では、乱世が訪れると、七英雄と呼ばれる人物たちがやってきて世界を救ってくれると信じられていました。しかし、その希望は打ち砕かれます。バレンヌのそばにある港町ソーモンが、七英雄のひとりクジンシーによって襲撃されてしまうのです。
強大なクジンシーの力に敗れるレオンですが、帝国を訪れていた魔術師オアイーブから□伝承法□という秘術を授かり、その知恵と力を第2皇子ジェラールへと継承しました。以降、帝国はこの力を用い、七英雄たちとの長きに渡る戦いを繰り広げることとなります。