建て替えられた「三井アウトレットパーク　マリンピア神戸」の商業棟＝神戸市垂水区海岸通

　三井不動産（東京）が建て替えを進めている商業施設「三井アウトレットパーク　マリンピア神戸」（神戸市垂水区）の再オープン日が１１月２６日に決まった。明石海峡大橋や淡路島を望む立地を生かし、人工ラグーン（外海から隔てられた水域）の周囲に体験型施設を多数配置。同社は「非日常を楽しめる唯一無二の親水公園空間」とアピールし、淡路島に向かう観光客も取り込みたい考えだ。「リゾートアウトレット」とうたう現地を取材した。（広岡磨璃） 【写真】海の近くには「ＢＥ　ＫＯＢＥ」モニュメント ■水辺の体験充実 　再オープンするマリンピアは敷地が約１・３倍に広がり、これまで分散していた商業棟などを集約する。２階建ての巨大なモールで、天候を気にせずに店舗を巡ることができる。 　目玉のラグーンはその西側に広がる。アスレチック空間が整備され、ボルダリングやロープ登りなどを楽しめる。ごろごろと寝転がることができる巨大なハンモックも。近くには、子ども向けの遊戯施設「ボーネルンドあそびのせかい」や、ドッグランもできる。 　ラグーンの北西には砂浜が広がり、ビーチバレーやヨガのイベントを催す予定だ。近くには個室タイプのバーベキュー場が並び、ポトマック（神戸市中央区）が新業態として運営する。レストラン「ＬＡＧＯＯＮ　ＴＯＯＴＨ　ＴＯＯＴＨ（ラグーン・トゥーストゥース）」も同社が経営し、焼きたてパンや料理、スイーツなどを提供する。 　ほかにも、音楽イベントなどを開催できる「大屋根広場」を整備したり、明石海峡大橋を背景にした「ＢＥ　ＫＯＢＥ」のモニュメントを設置したりする。ラグーンではカヤックやカヌーを楽しめるという。 ■注目の店舗は 　店舗数は建て替え前から１５店ほど増え、１４５店舗になる。このうち１４０店がメインの商業棟に入る。 　国内アウトレットで初登場となるのは、「モンスターハンター」など数多くのゲームを手がける「カプコン」の店舗だ。人気キャラクターのグッズや限定品を扱うという。「メルセデス・ベンツ」は関西のアウトレット初出店。実車を展示販売するほか、ゴルフやペット関連用品も販売する。 　食のエリアも拡充し、商業棟１階に「フードマルシェ」を設ける。レストランやテイクアウト販売、スーパーなど、多様な食のニーズに対応する。２階のフードコートにはテラス席があり、明石海峡大橋を見ながら食事ができる。 ■地域との連携 　２０１９年にできた地域連携拠点「マリンピアラボ」は、建て替え後も存続し、ワークショップや交流イベントの場を提供する。またラグーン周辺には、神戸ゆかりの芸術家によるアートを設置するという。 　ラグーンにはクロダイやヒトデなど多くの生き物が生息しており、開業後、海藻の植え付けイベントなどを通じて、豊かな「藻場」の形成を図る。 　隣接する神戸市立水産体験学習館「さかなの学校」は、アウトレット建て替えに伴い、昨年４月から休館している。市農水産課は「２５年度早々にも再開を目指す」としており、三井不動産側は「再開すれば、連携したい」と話している。 　施設の再開業後は、近くを走る国道２号の渋滞が懸念される。三井不動産は駐車場の台数を約５００増やして約２８００台にし、チケットレス駐車場システムも導入する。入出庫の待ち時間を削減することで車の滞留を軽減するという。