名古屋市長選に7人立候補 河村たかし前市長施策への評価が争点
先の衆院選で当選した河村たかし前名古屋市長(76)の自動失職に伴う同市長選が10日告示され、無所属新人の7人が立候補を届け出た。1969年の市長選と並び、過去最多の立候補者数となった。戦後最長の4期約15年にわたる河村市政への評価が最大の争点。投開票は24日。 立候補したのは、元会社員、太田敏光氏(76)▽元副市長、広沢一郎氏(60)=日本保守党推薦▽旅行会社社長、水谷昇氏(61)▽元大学講師、不破英紀氏(64)▽元自治大学校教授、鈴木慶明氏(85)▽元参院議員、大塚耕平氏(65)=自民、立憲民主、国民民主、公明党推薦▽政治団体「緑の党・東海」共同代表、尾形慶子氏(67)=共産党推薦。 河村氏の後継指名を受けた広沢氏は「たかしからイチローへ」を合言葉に、河村氏が打ち出してきた市民税減税や市長給与削減、名古屋城天守木造化などの推進を前面に打ち出し、市政継承をアピールする。第一声では「負けられない戦いが始まる。河村市政をまるごと継承し、発展させる。減税を続けて深掘りするのがいいのか、減税をやめて増税がいいのかが、最大の争点だ」と訴えた。 市議会主要会派が相乗りで支援する大塚氏は「名古屋をアップデートしよう」と給食費の無償化などを訴えた。耐震不足や木造復元に向けた調査のため入場禁止が続く名古屋城について「観光収入を放棄している。これに対する説明責任を一切果たしていない」と前河村市政を批判。一方で木造化や市民税減税の是非については慎重に判断していくとの姿勢を示しており、この日も明言しなかった。 尾形氏は第一声で、前河村市政の減税施策について「金持ち減税をやめて、本来だったらみなさんが享受できるはずの行政サービスを受け取りましょう」と批判。名古屋城天守の木造化についても「そんなことにお金をつかっている暇がありますか。天守閣で観光客を呼ぶのではなく、子育てがしやすい、医療も安心して受けられる魅力ある名古屋にして、住んでもらいましょう」と訴えた。【真貝恒平、大原翔、加藤沙波】