主は物部氏の実力派側近か 奈良・天理の古墳で石室発見
女子大学院生「古代人の死生観に学びたい」
古墳の一隅で、出土品も公開された。国内で120面程度確認されている小型鏡「旋回式獣像鏡」は直径9センチと小ぶりながら、とても神秘的。素材や製法の異なる玉類も人気があり、カメラを向ける人たちが相次いだ。 調査担当者の説明に耳を傾けていると、近くの林からうぐいすの鳴き声が響いてくる。考古学を学ぶ奈良在住の女子大学院生は、横穴式石室を研究テーマに選択。九州や関西の古墳に足を運び、石室などを見て回っているという。 「古代の人たちは健康的で長寿が当たり前になった現代人より、死生観を重視していたのではないか」と院生。「お墓の永代供養のあり方をめぐる議論が起きていますが、古代人が限られた権力者とはいえ、石室に手厚く葬られていた様子が伝わってきます」と話していた。陽光降り注ぐ古墳で、参加者はそれぞれ新たな発見を手に入れたようだ。詳しくは天理市の公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)