酒田市の投票所の入場整理券なぜ届かなかった? 印刷漏れと確認見逃しが原因 公職選挙法の関連規定守れず
山形放送
今回の衆議院議員選挙で、酒田市の一部地域で投票所の入場整理券が届かなかった問題で、市の選挙管理員会は、整理券の印刷漏れと枚数の確認漏れが原因だったと明らかにしました。複数による確認の徹底など再発防止策に取り組むとしています。 酒田市選挙管理委員会 高橋清貴委員長「心からお詫びを申し上げる。誠に申し訳ございませんでした」 酒田市選挙管理委員会によりますと、10月27日に投票が行われた衆議院議員選挙で、投票所の入場整理券が有権者に届かなかったのは、市内の西荒瀬地区の一部と新堀地区の一部の合わせて322通で670人分です。 問題の発覚を受け、市選管が調べたところ、酒田市全体分の4万1983通の入場整理券を印刷したプリンターのデータに該当の地区を含む652通の印刷完了のデータが存在せず、印刷がされていなかったことがわかりました。 印刷を行った職員は1人で、西荒瀬地区と新堀地区を含む1000通分の印刷を行う際、はじめに340通余りを試験的に印刷しました。しかし、続けて残りを印刷せずに、ほかの地域分の印刷を始めてしまったため、印刷されなかった可能性が高いということです。 印刷した入場券は、印刷を担当した職員以外の6人の職員が手分けして通し番号を目視で最終チェックしましたが、不足に気付きませんでした。この入場券は、郵便局から10月16日と17日に各家庭に配達されました。そうした中、17日に、郵便局の配達員が市内の宮海地区と丸沼地区で配達すべき入場券が1通もないことに気づき郵便局から市選管に連絡。市選管は、該当する330通を急きょ印刷し、翌日、配達されました。 その後、西荒瀬地区の一部住民から未配達の問い合わせがあったものの、27日の投票日までに再発行が間に合わなかったため、入場整理券が手元になくても投票することが出来ると伝え、対応したということです。西荒瀬など未配布地区で、入場券なしで期日前や当日に投票した人は有権者670人のうち278人でした。 公職選挙法の関連規定では、特別な事情がない限り公示後できるだけ速やかに投票所入場券を交付するよう努めなければならないと定められていますが、今回の未配布はこの規定を守れなかったことになります。 市選管真嶌斉事務局長「今回の事案につきましては目視についての最終点検の方法の問題が大きいと考えており今後このような手違いを起こさないようより一層気を引き締めまして業務に当たらせていただきます。」 市選管によりますと、来年1月の県知事選や来年夏の参議院議員選挙も今回と同様の手順やシステムで印刷・発送されるということです。市選管は再発防止策について「複数でのシステム操作確認や通し番号の連続性の確認を複数で行い、総枚数の確認を2人1組で行う」などとしています。職員には、有権者の1票の重みを十分に認識し、より緊張感を持った作業が求められています。