<センバツ・夢へ続け!>仙台育英・支える人たち 共に考え、学び増やす 悔しさ知る「先輩」コーチ /宮城
仙台育英OBの斎夢海(むかい)コーチ(24)は須江監督の右腕として、選手たちを指導している。日本体育大を卒業して、保健体育の教諭として2019年に母校へ戻ってきた。 高校時代は捕手として活躍し、副主将も務めた。チームは甲子園に春夏計3度出場したが、最後の大会だった14年夏の宮城大会は4回戦で敗退。それまでの実績から4度目の甲子園を期待されていただけに「かなり悔しかった」と振り返り、後輩たちに夢を託した。 コーチになって2年目で、指導法を模索する毎日。選手の打撃フォームを見ているとイメージ通りにバットを振れていないが、アドバイスを言葉で伝えるのも難しい。そこで動画で撮影し、無料通信アプリ「LINE」のグループに動画を送るようにした。プロ選手のフォームを横に並べ、比較しやすいよう工夫もしている。「とにかく形として残して、今後の学びになるようなきっかけを増やしたい」と考えている。 普段は野球部員と同じ寮で暮らし、部員も年齢が近い斎さんを慕っている。主将の島貫(2年)は「今でも打撃を勉強していて、一緒になって考えてくれる。寮でも自分たちのことを気に掛けてくれ、身近にいてほしい存在です」と話す。 昨年は春夏ともに甲子園が中止になっただけに、今のチームからは「先輩から託された思いをセンバツにぶつけようという思いがすごく伝わってくる」と斎さんは語る。「自分は最後に甲子園に行けなかったので、悔いを残さないでやり切ってほしい」と期待している。【面川美栄】=随時掲載