「親を捨てる」って悪いこと?「家族代行サービス」依頼が急増? 3年前に母を捨てた作家「母も“自分の人生”を生きられなかった弱者」
■親との縁は完全には切れない?
日本には現状、親子関係を解消する“絶縁”の制度はない。旭合同法律事務所・川口正広弁護士監修の資料によると、親から逃げる手段として、住所を明かさず距離を置く「住民票の閲覧制限」、接触したくないことを意思表示する「内容証明で警告」、所在などの情報をわかりづらくする「戸籍の分籍」、名字を変えて情報を追うことを困難にする「養子縁組」などが考えられる。
しかしながら、NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星氏は、「分籍して1人戸籍になっても、父母の欄は残る。見えなくすることはできても、戸籍から『自分がAさんとBさんから生まれた』という過去を消し去ることはできない。親の戸籍にも『この人が抜けた』と記録が残るため、精神的にちょっと楽になるぐらいだ」と指摘する。
菅野氏は「まずは母親による肉体的な支配から回復して、セルフネグレクト状態から脱して、自分の心と体を大切にするところから」と語るが、戸籍を分けることは「あまり考えてない」。「どこかで『母も幸せであってほしい』と思っている。母も傷ついた人生を送ってきた。すごく憎いというわけではない」とした。(『ABEMA Prime』より)