倉本聰 89歳、伝えておきたい「常に心の中にある言葉」 “創る”極意~富良野ロングインタビュー
日テレNEWS NNN
テレビドラマ『前略おふくろ様』『北の国から』『やすらぎの郷』など、数々の名作を手がけてきた脚本家の倉本聰さん(89)。高倉健さん主演の『海へ ~See you~』以来36年ぶりとなった新作映画『海の沈黙』の公開を前に、北海道・富良野のアトリエでロングインタビュー。約70年にわたり書き続けてきた“創る”原動力や、若い世代を含めて伝えておきたいという“常に心の中にある言葉”などを語ってくれました。 【動画】倉本聰さんに聞く “創る”極意 ~富良野インタビュー完全版~
■原動力は“怒り”のエネルギー
――約70年にわたり書き続けられた原動力はなんですか? 原動力って言えるかどうかわかんないけど、自分の体内のエネルギーですね。だいたい怒ることが多いので自分の性格的にも。怒りを抑え込んで、それをエネルギーにして書くということが、今までの創作習慣としては強いですね。 ――何に対しての怒りですか? いろんなものに対してです。もちろん世間一般に対してもそうだし、人間に対してもそうだし、政治に対してもそうだし、社会に対してもそうです。怒りっていうと、腹が立った怒りって単純に思われるでしょうけども、いろんな怒りがありますからね。自分に対する怒りもあるし。何をバカやってるんだっていう怒りもあるし、あらゆるものに対する怒りですよね。
■“海抜ゼロ”から根本的に考える
――倉本さんの思考法“海抜ゼロから考える”とは 我々ともすると社会のレベルでね、表面的なことで怒ってみたり、歩みを考えてみたりしちゃうんだけど、もっと根本的なところで考えようよっていう。だんだん世の中で暮らしてると、流されちゃうっていうかな。あるレベルでいいかげんに物事を見ちゃったり判断したり、そういうふうになっていくわけですよね。ですから、そういうものを拒否して、もっと一番その原点に立って物は考えるべきじゃないかということですね。 “海抜ゼロ”っていうのは常に思ってますけども。例えば、そもそも書くって何だろうか。そもそも国って何だろうか。そもそも俺はどうやってここに今、なぜここにいるんだろう。そもそもってことですよね、海抜ゼロっていうのは。