「株は5月に売却せよ」が日本株に当てはまらぬ訳 米大統領選挙でパフォーマンス爆上がり?
上昇傾向にある11月~4月のうち、1月は下落することが多いという点には注意しておきましょう。 一方で、上表は過去10年間(2013年6月~2023年5月)の月ごとにおける、日経平均株価の上昇・下落回数と上昇率平均をまとめた表、下図は、月ごとにおける、日経平均株価上昇率平均を示したグラフです。 過去10年間で上昇率平均が1%を超えている月は、4月・5月・9月・10月・11月で、下落率平均が1%を超えている月はありません。
これまでセルインメイと呼ばれていた5月の上昇率平均が2.1%と比較的大きく、またこれまで上昇傾向にあった11月~4月のうち12月・1月・2月の上昇率平均がマイナスとなっていることは、非常に興味深い変化であるように思います。 この変化が今後も続くかどうかはわかりません。しかし、過去25年間においても過去10年間においても、4月と11月は総じて強く、1月と8月は弱いことが多いということは、覚えておいて損はないでしょう。
こうしたアノマリーは他にもあります。例えば、4年ごとに実施されるアメリカ大統領選挙は、アメリカの景気と株式市場にも大きな影響を与えます。 『アノマリー投資』(ジェフリー・A・ハーシュ、パンローリング、2013年3月)は、1833年~2011年における大統領選挙4年周期各年のダウ平均年上昇率を以下のように算出し、大統領選挙前年の株式パフォーマンスが突出して高いということを明らかにしました。 1.大統領選挙当年:255%
2.大統領選挙翌年:86% 3.中間選挙年:187% 4.大統領選挙前年:470% 1940年~2022年における大統領選挙前年のダウ平均は、2015年を除き、20回中、19回上昇しています。 大統領選挙前年の株式パフォーマンスが非常に高い理由について、先述の『アノマリー投資』は以下のように説明しています。 「再選を勝ち取るために、大統領たちは痛みを伴う取り組みのほとんどを人気の前半に行う。そして、後半になると景気刺激策を打って、有権者が投票所に出かけるときに最も好景気になるようにしがちである。」