「株は5月に売却せよ」が日本株に当てはまらぬ訳 米大統領選挙でパフォーマンス爆上がり?
■日経平均を基に株価のパフォーマンスを検証してみた結果 それでは実際、売った方がいいと言われる5月直前の4月末に売って10月末に買い戻す、という戦略は有効なのでしょうか。1991年10月~2023年4月の日経平均株価データから、以下それぞれの戦略を取った場合の株式パフォーマンスを調べてみました。 1.10月末に買い、4月末に売る戦略 2.4月末に買い、10月末に売る戦略 3.売買せず継続保有する戦略
結果として下図の通り、パフォーマンスに圧倒的な差異を見出すことができました。 1.10月末に買い、4月末に売る戦略:資産は391%となる(100万円が391万円になる) 2.4月末に買い、10月末に売る戦略:資産は47%となる(100万円が47万円になる) 3.売買せず継続保有する戦略:資産は177%となる(100万円が177万円になる) 一方で、アベノミクスの取り組みが始まって以降ここ10年(2013年4月~2023年4月)にデータを絞ると、先ほどとは少し傾向の異なる結果が得られました。(下図)
1.10月末に買い、4月末に売る戦略:資産は125%となる(100万円が125万円になる) 2.4月末に買い、10月末に売る戦略:資産は171%となる(100万円が171万円になる) 3.売買せず継続保有する戦略:資産は223%となる(100万円が223万円になる) 長期的には、10月末に買って4月末に売るという戦略は有効かと思われますが、ここ10年については、売買をせずにずっと持ち続ける方がパフォーマンスは高くなっています。
それでは今度はもう少し細かく、月ごとの日経平均株価上昇率の違いはどうなっているのでしょうか。 下の表は過去25年間(1998年6月~2023年5月)の月ごとにおける、日経平均株価の上昇・下落回数と上昇率平均をまとめた表、図は月ごとにおける、日経平均株価上昇率平均を示したグラフです。 ■11月~4月は上昇傾向、5月~10月は下落傾向にある これら図表を見ても、11月~4月は上昇傾向にあり、5月~10月は下落傾向にあることがわかります。上昇率平均が1%を超えている月は、3月・4月・11月・12月で、下落率平均が1%を超えている月は、1月・8月となります。