来季からフォーミュラE参戦開始のローラ、2030年までの参戦継続を確約。ヤマハも関係継続を「前向きに検討」
フォーミュラEの2024-2025シーズンから、ヤマハ発動機と技術提携し、アプトにパワートレインを供給することを決めているローラ・カーズ。同社はマシンがGen4となる2027年以降、少なくとも2030年までフォーミュラEへの参戦を継続することを明らかにした。なおローラと技術提携するヤマハとしても、Gen4以降の継続について「前向きに検討していく」という。 【ギャラリー:美しきF1マシン】「日本人が”夢”を見た、白い流星」ティレル022・ヤマハ 2024年の3月末、フォーミュラE東京E-Prixの直前にローラはヤマハ発動機と共に東京で記者会見を開き、2024-2025シーズンから、フォーミュラE参戦チームにパワートレインを供給することを発表した。そして4月になって、その供給先のチームがアプトになることも明かされた。 ローラとしてモータースポーツに参戦するのは、実に10年以上ぶり。またヤマハは、二輪モータースポーツでは数多くのカテゴリーに参戦しているものの、四輪レースとなれば1997年のF1以来となり、いずれも随分久しぶりのチャレンジ……大いに注目を集めた。 そんな中ローラは、フォーミュラEのマシンがGen4となる2026-2027シーズン以降も参戦を継続、少なくとも2029-2030シーズンまで同シリーズへの挑戦を続けていくことを発表した。 「Gen4へのコミットメントを確認できることを嬉しく思う」 ローラ・カーズのモータースポーツ・ディレクターを務めるマーク・プレストンはそう語った。 「フォーミュラEは、より幅広いモータースポーツや自動車のアプリケーションに使うことができる、パワートレインとソフトウェア開発の理想的なプラットフォームである」 「このシリーズにおけるイノベーションの機会は、マシンのパフォーマンスとテクノロジーの発展に伴ってますます増えており、世界のモータースポーツ全体とより広範囲なゼロエミッション輸送の分野で、革新的なテクノロジーを開発する余地が広がると考えている」 またフォーミュラEのCEOを務めるジェフ・ドッズも、次のようにコメントを寄せた。 「来年のシーズン11から、トップクラスのモータースポーツに復帰するローラ・カーズが、Gen4時代にもコミットし、少なくとも2030年まではフォーミュラEのグリッドに残ってくれると約束してくれたことを、嬉しく思っている」 「彼らが最新の電動化とイノベーションの取り組みにおいて、我々のシリーズを信頼してくれたことは、モータースポーツ界の重要な人々を惹きつけるという我々の能力、そしてこのチャンピオンシップを成長させ続けていくという我々の共通の野望の証なのだ」 「これは我々にとって大きな名誉である。来年、ローラが初めてコース上に登場する時、彼らが一体何を見せてくれるのか、それが待ちきれない」 なお気になるのは、ローラが技術提携するヤマハとの関係が、Gen4以降も変わらないのかどうかということだ。ヤマハはmotorsport.com日本版の取材に対し「Gen4以降も継続するかどうかは、ローラさんやアプトさんとも相談しながら、前向きに検討しています」とコメントしており、その決断が待たれる。
田中健一, Stefan Mackley