企業物価10月は前年比+3.4%、コメ価格上昇 指数は過去最高=日銀
Tetsushi Kajimoto [東京 13日 ロイター] - 日銀が発表した10月の国内企業物価指数は前年比プラス3.4%と2023年8月以来の伸び率となった。コメなど農林水産物が上昇したほか、中国の景気刺激策への期待を受けた銅市況上昇で非鉄金属が伸び率を拡大した。電力・都市ガス・水道も再エネ賦課金の引き上げで前月に続き高い伸びとなり、44カ月連続の対前年上昇となった。 前月比ではプラス0.2%。ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値は前年比プラス3.0%だった。指数は123.7と2カ月連続で過去最高を更新した。 10月の円ベースの輸入物価指数は円安を反映して前月比3.0%上昇し、2022年9月の前月比5・3%以来の伸びを記録した。10月はドルが対円で4.3%上昇しており、日銀担当者は、商品市況の影響、企業の価格設定行動に加え、根強い円安に反映される「為替変動の動向もしっかり見ていきたい」と述べた。 同担当者は今月は精米・玄米・鶏卵などの農林水産物の押し上げに加え、非鉄金属などにおける銅市況上昇の影響があったと指摘したうえで、「価格改定月ということもあり、自動車部品等の中間財で価格改定の動きが目立った」と説明した。 企業物価を構成する515品目中、上昇は382品目、下落は107品目で、差し引きは275品目で、9月の278品目からほぼ横ばいとなった。 夏季電力料金調整後は、前月比プラス0.3%だった。 SMBC日興証券日本担当シニアエコノミスト、宮前耕也氏は、コメ価格の一時的な伸び率を差し引いても、企業物価は当面2%を維持するだろうと指摘。日銀の利上げに向け、「オントラックであることを確認できた」と述べた。 日銀の担当者は「引き続き不確実性の高い状況が続いているが、企業物価指数の観点からは、海外経済や地政学リスクの影響も含めた国際商品市況の動向や、コスト変動分の価格反映も含めた企業の価格設定行動や需要動向、政府による電気・ガス料金やガソリン価格の負担軽減策の検討状況を引き続き注視していく」とした。 *日銀の発表資料は以下のURLでご覧になれます。 http://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/