俳優の田中道子が「一級建築士」を目指すきっかけとなったゲームは?
黒木)建築物を好きになったのはなぜですか? 田中)私はもともとゲームに出てくる街のデザインがしたくて、ゲーム会社に就職したかったのです。最初に好きになったのは『ファイナルファンタジー』で、すごく幻想的な世界観をつくり上げているゲームなのですが、日常で見る建物とは全然違う非現実的な世界観だったので、「つくり手側に行きたいな」と思ったのが最初のきっかけでした。好きな建物への憧れは、ゲームのなかに集約されているのですよね。 黒木)でも、実際に建築物をつくるとなると、現実的ではないですか? 田中)法律が関係してくると、「日本では無理だろうな」という建物ばかりですね。 黒木)でも「こういう建物をつくりたい」という夢はたくさんあるのではないですか? 田中)そうですね。ゲーム内の街をデザインしたいと思っていた気持ちが強いのか、1つの建物をつくるというよりも……。 黒木)街全体をデザインしたいわけですね? 田中)「人々の暮らしをつくり上げたい」という気持ちがあります。いま興味があるもので言うと、サウジアラビアで砂漠に大きな都市をつくる計画があり、そのようなものをデザインできたらカッコいいなと思うことがあります。 黒木)建物というのは、建物だけでは成り立たず、そこで暮らす人々が生活できなければいけない。やはり全体を見ることが必要ですよね。 田中)それが二級建築士と一級建築士の資格における範囲の差かも知れません。 黒木)夢が広がりますね。 田中)いずれは世界を回りながら、という夢もあります。
田中道子(たなか・みちこ)/俳優 ■1989年生まれ。静岡県出身。 ■「ミス・ワールド2013」の日本代表に選出され、インドネシアで行われた世界大会でベスト30に選ばれる。 ■その後はファッションイベントの「GirlsAward」、「TOKYO RUNWAY」、「神戸コレクション」などに出演。 ■2016年、「女優宣言お披露目記者発表会」を開き、女優へ転身。 ■『六本木クラス』(EX)、映画『極主夫道』、『解体キングダム』(NHK総合)、『新美の巨人たち』(テレビ東京)などに出演する他、『プレバト!!』(MBS/TBS)では水彩画等で才能を発揮するなど多方面で活躍。 ■多忙を極めるなか、2022年に最難関国家資格である一級建築士試験に合格。