米ニューコアがホット販価60ドル値下げ。北米市況、一段安の公算
米国電炉最大手のニューコアは10日、スポット市場向けの熱延コイル販価「CSP」を前の週から60ドル値下げしショートトン当たり720ドルとした。4月にCSPの公表を開始して以降の最安値となり、米ホットコイル市況は一段安の展開が予想される。 鉄鋼メディアのカラニッシュによると、先週時点で北米のホットコイル市況はショートトン当たり740~750ドルと、前の週から20~40ドル下落していた。今週のCSPはこれを下回る。メトリックトン換算では約790ドルとなり、米ホット市況は昨年10月以来となる800ドル割れに向かう可能性が高い。 ニューコアは5月上旬にCSPを65ドル下げショートトン当たり760ドルとし、下旬には累計20ドル値上げした。大幅値下げと緩やかな値上げで底値感が醸成されかけたが、一転した再値下げは輸入鋼材の増加が一因とみられる。西海岸の子会社、カリフォルニア・スチール(CSI)でもホット販価を60ドル下げ780ドルとした。 ニューコアのCSPに対し、月次でホット販価を公表し始めたクリーブランド・クリフスは5月に50ドル値下げし800ドルとした。ただサービスセンターはクリフスへの発注を控える傾向にあり、市況の実勢と乖離している。