世界に広がる猫カフェ文化―イギリス初の店舗も誕生へ
日本にはじめて猫カフェがオープンしてから約10年。公式な数字はないが、全国に約175店もの猫カフェが出店しているとも言われる。猫に癒されたいと思うのは、日本人だけではないらしい。東京の猫カフェには多くの外国人が訪れ、西欧でも営業を始める猫カフェが出てきた。東京都内の猫カフェを訪ねてみると……。
猫がいっぱい
雑居ビルの2フロアを使った猫カフェ。受付を済ませる。手洗い、消毒すれば、猫のいる部屋に入ることができる。衛生面への気遣いを感じた。扉を開けると、猫がいた。いたる所にいた。ブリティッシュショートヘア、スコティッシュフォールド、エキゾチックショートヘアなど様々な品種の猫が、高い棚の上や小さな箱、キャットタワーというそれぞれのお気に入りの場所でくつろいでいた。ここは、東京都新宿区にある猫カフェ「きゃりこ新宿店」。 「合計52匹の猫がいまして、店内には30から40匹の猫がローテーションでいます」。女性店員の遠藤真炎(まほ)さんは、驚く私に説明してくれた。 店内は、くつろげる空間ができあがっていた。ソファ、大型テレビ、漫画があった。コーヒーなども有料だが飲むことができる。写真を撮っている人、猫をなでながら漫画を読んでいる人、猫とおもちゃで遊んでいる人など、思い思いの時間を過ごしていた。
外国人客は全体の3割強
店員と話をしていると、背後から英語が聞こえてきた。別の店員がジェスチャー混じりの英語で接客をしていた。「特に今年に入って、海外からのお客様が増えています」と遠藤さん。店によると、平日には200人を超える来客があり、その約3割強が外国人だそうだ。特にアメリカ、イギリスなどの欧米からが多く、他にもエジプト、コンゴ、タイなど様々な国から来店がある。
私の国にも猫カフェが欲しい
「うちの猫に似ている」と猫を両手でなでながら喜んでいる金髪の女性がいた。アメリカ・カリフォルニア州から来たと言うシェリーさん。一緒に来日している友人から猫カフェの存在を聞いたのだという。「とても楽しいし、リラックスした気分になれます」と猫に餌をあげながら答えてくれた。 アメリカ・ニューヨーク州からきた女性は、猫を抱き、満足げにしていた。はじめての日本旅行だというローレンさんは、動物専門テレビチャンネル「アニマルプラネット」で猫カフェを知った。「日本で変わった体験がしたいと思いました」と教えてくれた。 二人は「アメリカに猫カフェがあるとは聞いたことがない」という。自国に猫カフェが欲しいか尋ねると、どちらも「YES」と笑顔で即答した。 猫で癒されたい人、猫が好きでも猫が飼えない人、猫を飼っていても、たくさんの猫と触れ合いたい人は、アメリカにも多いのだろう。