Denodo、AI機能を強化した「Denodo Platform 9.1」を発表
Denodo Technologies株式会社(以下、Denodo)は21日、データ管理プラットフォームの新版「Denodo Platform 9.1」のリリースを発表した。 6月にリリースしたDenodo Platform 9は、AI対応の自然言語クエリのサポートと検索拡張生成(RAG)のサポートなどを追加した。Denodo Platform 9.1では、これらの機能をさらに強化し、AI搭載のDenodo Assistantを追加した。これにより、Denodo Platformの豊富なセマンティックレイヤーを活用してデータエンジニアリングタスクを自動化し、データアナリストやその他のビジネスユーザーに、コンテキストに基づいたインサイトとインテリジェントな推奨を提供する。 Denodo Assistantは、Denodo Platformの自然言語クエリのサポートをもとに、クエリ作成の手順をガイドし、あらゆるスキルレベルのユーザーが正確なクエリを簡単に生成できるようにする。インテリジェントなクエリ自動補完が可能で、クエリを記述中のユーザーに、コンテキストに応じた提案を行い、効率的なクエリ作成をサポートする。 データ準備ウィザードは、データチームが常に関与する必要なく、データ製品をさまざまなユースケースに合わせて迅速に適応できる。ビューとカラムの説明の提案は、ビューとカラムのビジネス上意味のある説明を自動的に生成し、データ資産の作成と理解を容易にする。 さらに、テキストベースの非構造化データの強化により、テキストを自動的に要約して分類して、データエンティティを識別して抽出し、感情分析、機密データの識別と編集、LLM(大規模言語モデル)を使用したテキスト翻訳をすべて1つの関数呼び出しで実行できる。 また、Denodo Platform 9.1には、特に検索拡張生成(RAG)の実装を支援する、新しいDenodo AI SDKも含まれる。このオープンソースのツールキットは、AI駆動のアプリケーションやエージェントの開発を加速し、構造化データと非構造化データの両方を生成AIモデルに簡単に統合できるようにして、より高い精度とパフォーマンスの向上を実現する。 Denodo AI SDKは、事前に構築されたAPIと再利用可能なコンポーネントにより、複数のデータソースからLLMにリアルタイムで管理されたデータを提供するプロセスを簡素化する。RAGベースのAIエージェントの開発専用に設計されたAPIで、下位レベルのデータAPIやオーケストレーションロジックを抽象化し、組み込みアプリケーションAPIやベクトルデータベースとの統合を容易にする。 セッションレベルのセキュリティでは、RAGベースのAIエージェントがデータのプライバシーとセキュリティの要件に準拠できるようにする。柔軟な統合オプションにより、開発者がAIソリューションを特定の環境にパッケージ化して提供できるようにし、開発ライフサイクルと本番環境への展開を迅速化する。さらに、サンプルのRAGアプリケーションとクイックスタートチュートリアルにより、AI開発者がDenodoでRAGベースの開発を迅速に開始できるようにサポートする。 また、Denodo Platform 9.1では、AI機能強化に加え、データレイクハウスやその他の最新のデータプラットフォームの機能向上など、Denodo Platformのコア機能も強化されている。 高度なIcebergサポートとして、Denodo Platform 9.1では、イントロスペクション機能とタイムトラベル機能が強化されており、技術者以外のユーザーでもIcebergベースのテーブルを簡単に管理およびクエリできるため、大規模なデータセットを柔軟に操作できる。 Microsoft FabricおよびOneLakeのサポートも強化し、Deltaテーブル形式の新しいサポートとMicrosoft Fabric Data Warehouseへの接続の強化により、クラウド環境全体でのデータ統合が効率化される。 Arrow Flight SQLもサポートし、高性能データ転送を目的としたArrow Flight SQLは、クラウドデータウェアハウスやレイクハウスでのクエリパフォーマンスを加速し、速度と効率を向上させる。 Denodo AI SDKは、Apacheライセンスの下で無料で配布されており、現在、Denodoの顧客に提供されている。近日中にGithubにも公開され、利用可能になる予定。また、Denodo Express(Denodo Platformの無償ダウンロード版)にもパッケージ化される予定。
クラウド Watch,三柳 英樹