牛120頭を守れ 道路寸断、停電…豪雨で被害の牧場が奮闘 5日ぶりの飲み水
豪雨被害の深刻な爪痕が明らかになるなか、番組は25日、一時孤立した石川県珠洲市の牧場を取材しました。一部の牛舎はいまだに孤立していて、牛たちを守るために懸命な活動が続けられていました。 【画像】震災の傷跡消えぬ中での豪雨 牛120頭を守る牧場 「命は待ったなし」
■水たまりぐらいが…「カーブしたら急に流れが強くなった」
車が茶色く濁った水の中を走っていますが、本来、この道路は田んぼに囲まれている小道です。 運転手 「最初はそこまで深くなかったんで、水たまりぐらいで。途中、右にカーブしたぐらいから急に流れが強くなっているのが見えて。あそこで止まってUターンとかバックっていうのは、もっと危険なことが起きるかもしれないと思って。判断ミスだったと思うんですけど、そのまま進んでしまいました」 「本当に初めてあふれましたね、何十年も通っていますけど。路面が見えてない道行って、穴とか開いていたり丸太とか流れてきていたら、本当に危なかったんじゃないかなと」
■豪雨被害を受けた牧場 またもライフライン絶たれる
豪雨で大きな被害を受けた、石川県珠洲市。番組は25日、土砂崩れで一時孤立状態になった珠洲市唐笠町にある松田牧場へ向かいました。 牧場の手前の道路は落ち、電信柱が横になってしまっています。そして奥は土砂崩れを起こしています。 松田牧場 松田徹郎さん(35) 「断水は地震の後からずっと続いていまして、今も断水中です」 「(Q.地震の後からずっと?)最近、断水が解消したのですが、仮設(水道管)で水を通してもらっていたところが土砂崩れで流されて地震の直後に戻った。振り出しに戻ったという状況です」 元日の地震の被害からようやく復旧した矢先、またもライフラインが絶たれてしまいました。当初、松田さんはこれほどの被害になるとは想像もしていなかったといいます。 松田さん 「雨降っているなーって感じで完全に楽観していた。まさかここまでの事態になるとは思っていなかった」 松田牧場ではおよそ120頭の牛を飼育していますが…。1キロほど離れている奥の牛舎に行く道は寸断されているため、重機で牧草地を横断し、向かうしかありません。 松田さん 「(Q.かなり牛の鳴き声が聞こえてくるがいつも?)こんなに鳴いてないですね。水が足りないのが一番大きいのかなと。やるせない気持ちですよね。早く何とかしてやらないとという思いで動いています」 断水や停電の影響で子牛に十分なミルクを作ってやることもできません。 松田さん 「ミルクが欲しくて、欲しくて欲しくてって…」 「(Q.ご飯はいつもどうしている?)粉ミルクをお湯で溶かして」 「(Q.水が今出ていないですよね?)水が出てないので湧水をカセットコンロで沸かして、そのお湯で粉ミルクを溶かしてやっている」 牛たちの飲み水は丸一日かけてためた湧き水。それを重機を使って手作業で牛舎まで運びます。 松田さん 「(Q.どれくらい大事な水?)この水がないと牛の命をつなげないのですごく大事なものです」