40歳時点で、「2000万円」の貯金があります。老後は「夫婦で月12万円の年金で暮らしていける」と思っていいですか?
計画的に老後へ向けて準備をしており、40歳時点で既に2000万円もの貯金を有している夫婦なら、月12万円の年金で老後生活ができるのでしょうか。同様の悩みを抱えている夫婦は、一定数以上いることでしょう。 そこで、40歳時点で2000万円の貯金がある場合の、夫婦の老後の暮らしについて考えてみました。
老後の暮らしにかかるお金はどれくらい?
「老後にどれくらいの額の年金があれば生活していけるのか」という問いの答えは、何歳まで毎月何円の生活費で生活するのか、そして貯金がいくらあるのかを、ある程度明確にしていくことで、想定することができます。 まず、「このケースにおいて、夫婦が何歳まで生きるのか」という点ですが、仮に90歳としておきましょう。 次いで、月々の支出額は、総務省統計局の「家計調査」を参考にしていきます。この調査によれば、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の場合、月々の消費支出と非消費支出を合わせた額は、月額28万2497円となっています。 こうして算出した支出額から年金額を差し引き、1ヶ月当たりの不足額を計算します。仮に月12万円の年金収入があるとすると、不足額は16万2497円となります。 そして貯金の2000万円を、この1ヶ月当たりの不足額で割りましょう。計算してみると、およそ120ヶ月、つまり10年程度は、貯金を取り崩して不足分を補いながら生活することができます。
毎月16万円不足する状態で90歳まで生きるには、老後資金は2000万円では足りない
生活費が毎月16万円不足する状態では、仮に2000万円もの貯金があったとしても、夫婦で10年程度しか生活できません。65歳から90歳まで生きるとすると、残り15年分の生活費を、どうにかする必要があります。 この点に関しては、解消する方法がいくつか考えられます。 その方法のうちの一つは働くことです。フルタイムとはいかずとも毎日5時間程度、時給1000円で働いたとすると、これで毎月8万円ほどの収入を得られます。65歳から生きるとして、そこから20年程度は年金と貯金、そして働いて収入を得ることで生活できる計算になります。 90歳までとまではいきませんが、さらに働く時間を延ばしたり、節約したりして収支を調整すれば、2000万円の貯金と12万円の年金で、90歳まで生活することも、難しくはなさそうです。