「先が見えない不安のなかにずっといる」能登半島地震で経営する飲食店が全壊…家族と離れて過ごすクリスマス・イブ
FNNプライムオンライン
クリスマスイブを彩るきらびやかな光でいっぱいの列島各地。 東京駅のすぐ近くでは、地震と豪雨の被災地、石川・能登地方の樹木や能登の工芸技法が使われたクリスマスツリーが人々の目を楽しませています。 一方、被災地の1つ、石川・輪島市では、大きな被害が出たスーパーのかつて総菜コーナーがあった場所に、復興への思いがこもったツリーがありました。 震災からまもなく1年。 人々はどのような思いを胸にイブを迎えているのでしょうか。 地元の食材を丁寧に下ごしらえする男性は、震災前、輪島市内で飲食店を営んでいた坂口竜吉さんです。 「のと吉」店主・坂口竜吉さん: 明日は地元でクリスマス会があるので、そこの出張料理の準備(を行っている)。これは一回煮含めた里芋を揚げたもの。「里芋の唐揚げ」を食べたいというので。(明日のメインは)能登牛のローストビーフを。 料理作りにいそしんでいたのは、知り合いの店の厨房(ちゅうぼう)。 自宅を兼ねていた坂口さんの店はというと…。 坂口さん: ここに…正面に店が(あった)。ちょうど更地になっているところ。 創業以来、能登の食材を生かした料理で人気だった坂口さんの店は、元日の地震で全壊。 営業を続けることはできませんでした。 青井キャスター: 今は1年がたとうとしていますが、この時間軸は? 坂口さん: 先が見えないという不安の中にずっといるので。もう1年になるのに、何もできていないのかという…。 そこで、現在は出張料理人として県内外に出向き、妻と3人の子どもを養う日々。 ただ、その家族は坂口さんが残る輪島ではなく、金沢市で避難生活を続けているといいます。 坂口さん: 子どもたちはもう金沢の環境に慣れてしまったので、家族一緒に生活したいというのが一番の思いなので…。 震災からの1年で深刻化しているのが、より若い世代の被災地離れ。 この1年の輪島市全体の人口減少率が9.3%なのに対し、30代では14.7%、20代で18.6%、10代では22.9%にも上っているのです。 「輪島を離れ、金沢で仕事を探す選択肢を常に持っている」と話す坂口さん。 このまま輪島にとどまるべきか、それとも…。 家族と離れたまま迎えるクリスマスイブ。 坂口さんは、腕によりをかけた自慢の味を友人宅でのパーティーに届けています。 輪島市にあるそのご友人宅、谷川さん夫婦のお宅にお邪魔しました。 「谷川醸造」の谷川千穂さんは「この1年、皆さん大変な思いをしているので、この時だけでもちょっと忘れて時間を過ごしていけたらいけたらいいかなと思っています」と話し、坂口さんの料理を楽しみながらのクリスマス会が開かれていました。
石川テレビ
【関連記事】
- 中学生が修学旅行中に壊した“大地の芸術祭”の作品…賠償金674万円で和解へ 保護者に賠償求めず市が全額負担「故意であること立証されず」 新潟市
- せっかく政権交代の機運が盛り上がっているのに、やはりこの人の一言がすべてをぶち壊す
- 約100m離れた山の中腹から…“露天風呂”に入浴中の女性をデジタルカメラのズーム機能使って盗撮か…大阪市の50歳男を再逮捕「今は話したくない」
- “重機で出入りする複数の男性”目撃した人も…空き家敷地の土の中から身元不明の男性遺体見つかる 10月中旬には約20km離れた場所に住む70代男性が行方不明に
- 届いたクリスマスケーキが逆さま「残念」…販売した380個中、約100個に不備 西川貴教さんとコラボの特別ケーキ デコレーションも落下