キーワードは「街づくり」…赤字続く指宿枕崎線、「存廃を前提としない」在り方議論へ認識共有 JR九州と県、沿線3市が初会合
鹿児島県とJR九州、指宿、南九州、枕崎3市は19日、利用客が低迷し赤字が続く指宿枕崎線(指宿-枕崎)の在り方を検討する会議の初会合を鹿児島市で開いた。鉄路存廃を議論の前提とせず、鉄道を生かした街づくりの可能性を話し合う方向で一致した。 【写真】JR指宿枕崎線の路線図を確認する
県やJR九州、3市の担当課長、地域交通の学識者ら7人の委員のほか、オブザーバーとして九州運輸局も出席。会長の鈴木圭祐県交通政策課長は「これまでの鉄道維持・利用促進の域を超えた地域づくりの部分が大きい。出口ありきの議論ではない」と説明した。 会合は冒頭を除き非公開。終了後、報道陣への説明があり、委員らは利用者数の推移や利用促進策の取り組みなどを再確認し、街づくりに鉄道が重要との認識を共有したという。今後は他路線の利用促進策や専門家の意見を聞き議論を深める。次回日程などは未定。 JR九州によると、2023年度の同区間の1キロ当たり1日平均乗客数(輸送密度)は222人で、同社発足当初の1987年度に比べ76%減となっている。 同区間を巡ってはJR九州が昨年11月、県と沿線3市に将来の在り方についての議論を打診。今年1月から計6回、事務レベルで検討会設置の調整を進めてきた。
南日本新聞 | 鹿児島