自民県連、鹿児島市長選に候補擁立も推薦もせず 1955年の結党以来初、事実上の自主投票へ 現職評価で割れる市議団
自民党鹿児島県連の鹿児島市支部は9日、24日投開票の同市長選に独自候補を擁立せず、特定の候補を推薦しない方針を決めた。公認・推薦などの党内の手続きがないため、県連としても事実上の自主投票になる。自民は1955年11月の結党以降、同市長選では毎回推薦などしており、態度を示さないのは初めて。 【関連】鹿児島市長選告示まで1週間 現職、新人一騎打ちか 下鶴氏は実績アピール、桂田氏は認知度向上急ぐ
同支部は9日、役員会を開いた。会議は非公開。柴立鉄平同支部長によると、鹿児島市議会(定数45、欠員1)の最大会派である自民党市議団(17議席)からの立候補者はいないと確認。市議団や同支部には、推薦願が届いていないとの報告があった。 市長選に関しては、現職の下鶴隆央氏(44)が、対立候補側を除く県内各政党から推薦を得たい考えを示していたが、9日時点で自民に推薦願を提出していない。 ◇ 鹿児島市長選で、自民党県連は事実上初の自主投票となる。現職の下鶴隆央氏と共産党推薦の桂田美智子氏=いずれも無所属=の一騎打ちが想定される中、自民党市議団内では各議員の判断が割れている。 下鶴氏に対して、待機児童ゼロ実現や児童相談所の早期開設に向けた整備地決定など子育て施策を評価する自民市議は少なくない。ある若手は「目立った失策はない。支持者には現職支援と説明する」。 一方、サッカースタジアム整備で、議会の付帯決議に反した上に、候補地断念を繰り返したことなど、「非を認めない」「意見を聞き入れない」との批判は根強い。別の市議は「進んだ施策も少ない。白票は選択肢の一つだ」と強調する。
市議団から立候補を模索する動きはあったが、若く知名度のある現職に挑むハードルが高いとして、擁立は見送った。前回市長選で、団出身の候補者が下鶴氏に5万票差で大敗したことも尾を引いている。 市議会最大会派が態度を示さず、市民の批判を懸念する声もある。あるベテランは「対抗馬には入れられないが、白票は無責任。難しい判断だ」と打ち明けた。
南日本新聞 | 鹿児島