「住宅ローン審査前に夫の借金発覚」「持ち分で大モメ」住宅購入の悲喜こもごもを業界のベテランに聞いた
持ち分の話し合い不足で「離婚」に発展
不倫のトラブルがある一方、数十年にわたり数千万円ものローンを組むマイホームではお金にまつわるトラブルも多々。「挙げればキリがない」とはなす乃村さん。夫婦の話し合い不足で、決定的な仲たがいにまで発展してしまったケースを振り返ります。 「住宅ローンの内訳で揉めたケースです。過去にとある工務店の営業さんから相談を受けたケースでは、妻側の親御さんが着手金の500万円を出し、残りの2500万円を夫が単独で住宅ローンを借入れることになりました。ただ、所有権の割合が問題になったんです。事前に話し合う中で、マイホームの『500万円分は私の持ち分』と妻からは言いづらかったらしく、どうやら内情はギスギスしていたようでした。 すでにマイホームは完成して、不動産の決済のために銀行へ向かう車内で『うちの父が500万円分を出したから、その持ち分はちょうだいよ』と妻が言ったところ、夫も『今さら何を主張しているんだ。そもそも、お前のオヤジが嫌いだったんだ!』と激怒し、離婚にまで発展してしまったそうです。本音を言えば、揉めそうなら事前に相談してほしかったなと…その営業マンも苦笑いしてました」
夫から「2人で会える?」と電話が来た理由は?
住宅ローンの審査には「事前審査」と「本審査」があります。事前審査の通過後に、必要であれば土地を購入して、建築がスタート。その後、本審査を通過できれば住宅ローンを正式に借り入れられます。 この審査中にも、マイホームを背景にした“ドロドロ”エピソードが。妻の預かり知らぬ夫の借金がバレる、ヒヤッとするケースも……。 「事前審査の話が出たあたりで、夫から営業マンに『2人で会える?』と電話がかかってくるケースは、けっこう多いんです。理由は、妻に内緒の借金があるから。日本中にいる工務店の営業マンで、経験したことのない人間はおそらくいないと思います。中には『住宅ローンで消費者金融の借金を借り換えれない?』と、とんでもない相談をしてくる人もいて(苦笑)。営業マンも『親御さんからお金を借りて、どうにか完済できませんか』と言うぐらいしか、フォローできないのが悩ましいです」