焼失した首里城再建へ、正殿に掲げる彫刻物「牡丹に獅子・唐草」もうすぐ完成…制作依頼受けた山口大が公開
2019年の火災で焼失した首里城(那覇市)を再建する「令和の復元」で、沖縄県などから正殿に掲げる彫刻物「牡丹に獅子・唐草」の制作の依頼を受けた山口大(山口市)は27日、完成間近の彫刻物を報道陣に公開した。来月前半には沖縄側に引き渡す予定。 【写真】復元工事が進む首里城正殿。軒先や外壁の一部には黒色の漆が塗られている
樹齢300年の天然ヒノキ製で、縦50センチ、横3・6メートル、厚さ6センチ。正殿の正面に設置する。国内外で実績があることや木彫の専門家が少ない沖縄県の事情を踏まえ、同県出身の彫刻家で山口大教育学部の上原一明教授が制作を引き受けた。
首里城の「平成の復元」(1992年)の後、仏海軍が撮影した琉球王国時代の正殿の写真が見つかり、従来はなかった獅子が彫刻物に存在する可能性が浮上。1年がかりで獅子を取り入れた新たな意匠を固めた。上原教授は「沖縄の象徴にふさわしい最高のものを納めたい」と語った。