【NGワード】高確率で老いた親とケンカになってしまう危険な言葉とは
「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノ―ト』が発刊されました。本記事では著者である萩原礼紀氏のインタビュ―記事をお届けします。 ● 高確率で老いた親とケンカになってしまう危険な言葉 ――「健康面を気にして高齢の親の夜ふかしを注意したら、ケンカになってしまった」というケースをよく耳にします。どのようなコミュニケーションを取ったらいいのでしょうか。 萩原礼紀(以下、萩原):困りますよね。子ども側としては親を心配しているからこそ言っているのに「私の勝手でしょ!」「放っておいてよ!」なんて言われてしまったら、たまったものではありません。「だったら好きにすれば!」と言いたくなる日もあるでしょう。 皆さんの「親に対する思い」はなにも間違っていないことを前提に、こういったケースでは気をつけていただきたいことが1つだけあります。 それは上から目線の言葉にしないことです。たとえば、「お母さん、夜遅くまでスマホを見すぎじゃない? 早く寝なよ」という言葉。一見悪くないように思えますが、人よっては「上から目線で注意された」と感じかねない伝え方です。 皆さんも子どもの頃に「勉強しなさい!」と言われれば言われるほど勉強する気が失せたのと同じように、親も「~しなよ」と言われると、不快に感じて反発したくなるのです。 ――なるほど。では、具体的にどういった伝え方がいいのでしょうか。 萩原:こういったケースでは、改善してほしいことを「自分の悩みごと」に置きかえて伝えてみるのがいいでしょう。 たとえば、「最近、仕事中にウトウトしちゃうの。なんか身体の調子も悪いし」と伝えてみたらどうでしょうか。きっと親は「あなたそれは早く寝なきゃダメよ」といった趣旨のことを返してくるかと思います。 仮に言葉は違っても、親はいつまで経っても皆さんのことを子どもだと思っていますから、あれこれとアドバイスをしてくるでしょう。 そのアドバイスさえ引き出せれば大成功です。みずから発したアドバイスによって「夜ふかしせずに早く寝るべき」という考えが潜在意識に刻みつけられます。親自身も自分でアドバイスしたからには生活習慣を改善するでしょう。 ポイントは正面から注意するのではなく、自分のお悩み相談のように見せかけて親自身に気がついてもらうことです。親との関係性にもよるかと思いますが、一度試していただく価値はあるかと思います。 ――ありがとうございます。大変勉強になりました。
萩原礼紀