中国経済「5%成長」は真っ赤な嘘で、実は「想像を絶するマイナス成長」に陥っているかもしれない、これだけの理由
老人ホームで爆発的な退去ブーム
こうした中で、中国の一般国民の暮らしはどうなっているのか。 今年に入ってから、農村部を中心に中国の老人ホームで爆発的な退去ブームが起こっていることが報じられた。中国の南方のある都市で10ヵ所以上の老人ホームを経営している方の話によれば、入所者の25%が退去したとのことだ。 中国では農村に年老いた親を残し、若い世代は都会に出稼ぎに行くというのが一般的だった。年齢が上がって、健康状態が悪化したりして、親だけでは生活できなくなってくると、自分たちが稼いだお金の一部を老人ホームの費用として支払って、ホームで面倒見てもらうという選択をしてきた。 しかしながら、今、失業者が溢れている中国では、都会でも簡単に仕事が見つかる状況ではなくなってきている。都会では生活費もかさむことから、失業するとホームレスになるか、田舎に戻るかの選択をせざるをえなくなる。 仕事がなくて田舎に戻っているのであれば、そもそも老人ホームに支払うお金もないのだから、自宅で親の面倒を見るしかない。そうなると、老人ホーム側には大量の空き部屋が生まれてしまうことになり、経営的に厳しくならざるをえないのだ。 これは老人ホームの経営問題として見ても重大だが、中国の失業問題の深刻さを表しているともいえる。今年に入って出稼ぎ労働者の25%程度の人たちが田舎に戻らざるをえなくなり、それに伴い、これまで老人ホームに預けていた親を自宅に連れ戻している、と考えるのが自然ではないか。 かなり雑な推計であることは認めるが、とはいえ、相当な経済ブレーキが掛かっていることだけは間違いないだろう。
広州市の「上下九路」がシャッター街に
広東省広州市には「上下九路」という、週末は歩行者天国にもなる有名な街区がある。広州を代表する繁華街だ。 このエリアの商店のかつての家賃は月10万元(220万円)だったという話だが、この上下九路がシャッター街になっている様子がSNS上にアップされ、話題になった。 日本も現在、過去9ヵ月ほどマイナス成長となっている停滞経済だが、だからといって原宿や表参道がシャッター街になったなんていう話は全く聞かない。 「中国経済は減速し、かつてとは違って年率5%前後しか成長できなくなった」という話が未だに公式には語られているが、現実はそんなレベルにはなく、私たちの想像を絶する「マイナス成長」に陥っていると考えないと、ここまでの変化は理解できないだろう。