検索サイト「まつサーチ」 文化資料の横断検索拡充
複数の施設にまたがる長野県松本市の文化関連資料を横断的に調べられる検索サイト「まつサーチ」の拡充が進んでいる。市内の美術館や博物館、図書館などの収蔵品に加え、今春には市文書館が目録公開する約14万6000点を検索対象に追加。少なくとも150万点の美術や書籍、地域文書や文化財が一括検索できるようになった。文化情報資源を扱う機関の提携として近年注目されるMLA連携の足掛かりとして、周知にも力を入れていく。 検索対象は▽市美術館コレクション▽松本の文化財▽松本まるごと博物館収蔵品▽市立図書館蔵書▽市文書館収蔵目録―などの約150万点と、全国遺跡報告総覧にある市発行資料や国立国会図書館デジタルコレクション。サイトを開き、例えば「松本城」をキーワードに検索すると、市図書館の松本城関連の本や、市立博物館が所蔵する松本城の古写真、市文書館にある絵図、市美術館収蔵の松本城の絵画など約2000件を横断的に調べることができる。キーワードの複数入力や施設の絞り込みも可能だ。 まつサーチは市図書館のシステム更新に伴い、平成30(2018)年度に開設された。全国7400以上の図書館から資料を一括検索できるサービス「カーリル」の仕組みを応用する。開設以前は各施設に個別に当たる必要があったため、市文書館の木曽寿紀専門員は「利便性が格段に向上した。さらなる充実を目指したい」と話す。 MLA連携とはミュージアム(博物館・美術館)、ライブラリ(図書館)、アーカイブ(文書館)の頭文字を取った協力体制で、同様のものでは県が先駆的に取り組むほか、市内でも関係機関がパネルディスカッションを開くなどして可能性を探ってきた。まつサーチの課題は利便性の高さとは裏腹の認知度で、市中央図書館は「周知の機会も増やしていきたい」としている。
市民タイムス