團十郎が長女、長男と共に、妻と父の眠る霊園に墓参り 襲名披露興業の無事終了を感謝し「スタートはこれから」
歌舞伎俳優、十三代目市川團十郎白猿(46)が10日、長女の四代目市川ぼたん(13)、長男の八代目市川新之助(11)とともに、妻の麻央さん(2017年死去、享年34)と父の十二代目(13年死去、享年66)の眠る堀越家の墓がある東京都内の霊園にお墓参りに訪れた。 【別カットをみる】青山霊園を訪れた團十郎、ぼたん、新之助 今回は10月まで2年間にわたり行われた「市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台」公演を無事終えたことへの感謝を込めたお墓参り。團十郎は「2年間、心の支えになってくれたのは父。今回は父が生前、妹に渡したあるものをずっと持って臨みました。麻央も家族を見守ってくれていると思う。まだ、つながっている感じがする」と感謝した。 曇天の下、取材会直前には小雨が降り始めたこの日。團十郎一家が取材に応じた午前10時過ぎからの約20分間は雨がやみ、一家の将来を照らすように日差しが降り注いだ。團十郎は改めて「関係者とお客さまのお力添えで無事、襲名興行の千秋楽を迎えることができました。達成感があります」と充実の表情。ぼたんも2回出演したが、團十郎は「地方興行が多く、1人だけ寂しい思いをさせた。すいません」とかたわらのぼたんに優しく語りかけた。 子供2人の役者ぶりについては「ぼたんの『團十郎娘』も、新之助の『外郎売(ういろううり)』『口上』『毛抜(けぬき)』『連獅子』も全部良かった」と絶賛。特に、来年中学生になる新之助については「彼の努力に加え、役柄に対する向き合い方ができてきたのが大きな成長です」と太鼓判を押した。 また、ぼたんと新之助も麻央さんについて「見守ってくれている感じがします。ありがとうと言いました」と感謝。さらに、ぼたんは「(團十郎と新之助の)『連獅子』はすごかったし、感動しました。弟は大人っぽくなってきた」とほめたが、新之助は「連獅子は100点満点で言えば20点ぐらい。まだ新之助になった実感はないし、襲名興行は終わったけど、新之助としてはこれからです」と父顔負けの発言も飛び出した。 團十郎は来年1月3日から東京・新橋演舞場で「双仮名手本三升(ならべがきまねてみます) 裏表忠臣蔵」(26日まで)で、初役の大星由良之助など4役を演じる。「襲名披露は準備に4、5年かかったし、2年は長過ぎ! 1日でいいよ」と冗談も飛び出したが、「團十郎もぼたんも新之助もこれからがスタートです」と一家の大黒柱として気を引き締めていた。
なお、堀越家の墓の敷地内には歴代全ての團十郎の墓も。團十郎は「先祖にも守られている感じがします。でも、今は『任せてください』という気持ちです」と力強く胸を張った。