【第3回WUBS】2度目の来日で初勝利を目指すシドニー大(オーストラリア)【リバイバル記事】【バスケ】
☆オーストラリアのバスケットボール オーストラリアはFIBA世界ランキングで5位のバスケットボール大国であり、日本にとってもアジアカップやワールドカップ予選での対戦でなじみ深い国だ。ただし大学バスケットボールに関しては、数年前まで強化の土台となる全オーストラリア的な大学リーグや、日本の全日本大学選手権(インカレ)にあたるような舞台がなかった。大学における主なスポーツ交流は、いくつもの競技で大学同士が火花を散らす「ナショナルズ」というビッグイベントを通じてはぐくまれてきたが、バスケットボールにおいてその流れが変わってきたのは、大学スポーツの統括団体であるユニスポート(UniSport)が主催する大学バスケットボールリーグUBL(University Basketball League)が誕生した2021年からだ。 現在UBLには、シドニー大を含め14の大学が参戦しており、春先から初夏にかけて総当たりのリーグ戦と上位チームによる決勝トーナメントを行って王座を決めている。プレーヤーの中には、学業の傍らセミプロリーグのNBL1でプレーする例も多い。これまでは大学に入るまでの中高レベルにおけるオーストラリア各地での切磋琢磨と、NBAグローバルアカデミーのようなエリート機関を経てトッププレーヤーが誕生していたが、今後徐々にその土台が大学バスケットボールに移行していく可能性もあるだろう。
☆シドニー大とは イギリスの大学評価機関クアクアレリ・シモンズ(QS)が毎年発表している世界ランキングの2024年版で、シドニー大は19位と高評価を得ている。創立は1850年で、オーストラリアでは最古の歴史を誇る名門だ。オーストラリアを代表するシドニーという大都市にあり、学生たちの国際職も豊か。そのため、ハイレベルな学術研究に取り組みながら、多様性に富んだ学生生活を送ることができるのも大きな特徴だ。 長い歴史を持つシドニー大だけに、スポーツにおける伝統の定期戦も学生カルチャーの一部。バスケットボールでも、同じシドニー市にあるシドニー工科大とは熱いライバル関係にあり、お互いの対戦を「インターバーシティ・シリーズ(Inter Varsity Series)」と名付けて毎年盛り上がる。 2年連続でWUBSに出場する男子バスケットボールチームは、ライオンズのニックネームで親しまれている。UBLにおける歴年の成績はリーグ創設初年度の2021年から準優勝、優勝、ベスト4と常に上位を維持。前ページの本文でも触れているとおり、今年のリーグ戦でも4月30日現在首位に1ゲーム差の6勝2敗で上位を賑わしている。
柴田健/月刊バスケットボールWEB