朝ドラにほしいグッとする「母」の存在感 全方位ch
過去のNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)で好きな作品は、ヒロインの母親に存在感があったなと、ふと思い返した。 BSで再放送中の「カーネーション」(平成23年度後期)のヒロインのお母ちゃん。もとは神戸のお嬢さんで、いつもふわふわしていて何ともかわいい。 男性が娘に会いにきたことに喜び、奇声を発して戸におでこをぶつけたり、自分の店の看板を下ろす夫の姿を、少し離れたところから見つめて静かに涙を流したり。家族をいとおしんでいることが言動の端々から伝わってきた。 「ちりとてちん」(平成19年度後期)のお母ちゃんは、ときどき突拍子もないことを言う楽しい人。落語家としての初高座で失敗した娘の八つ当たりを柔らかく受け止めたり、家で皆が笑っていることに幸せを感じて涙を流したり。家族をいとおしんでいることが以下同文だ。 途中で見るのをやめてしまったが、前作「虎に翼」のお母さんも好きだった。進学を認めないというヒロインにとっての〝壁〟になっているときでさえ、娘の幸せをひたすら案じていることが伝わってきた。 個人的な好みの問題だが、現在放送中の「おむすび」は、母親の姿にグッとこない。「やりたいことをやればいい」と言い、娘たちに理解のある顔をして寄り添っているふうなのだが、どうにも行動の面での印象が薄い。 ギャルになった姉が警察沙汰になったとき、娘の言い分も聞くよう父親を責めてはいたが、結局のところ自分も娘の言い分を聞いていない。ヒロインの結(ゆい)が、野球部の四ツ木にお弁当を作っていたことで監督に怒られたときも、隣で黙って聞いているだけ。四ツ木との関係をちゃかすような言動が目についてしまう。 姉のためにギャル文字を習得した過去があるので、画面に映っていないところで他にも行動しているのかもしれない。だがテレビなので、もう少しカメラの前でやってほしい。 映してほしいことは他にもたくさんあった。結が四ツ木のために作ったお弁当。ギャルとしての成長。糸島の野菜や魚に親しんできた様子。献立表を作る過程。親友のお墓に初めて手を合わせる姉の心情-。行間を読もうにも映像が足りない。これも好みの問題だろうか。(織)
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