プロ2試合で戦力外通告…“消えた天才”島袋洋奨32歳の告白「真っ直ぐに頼りすぎた」「“たられば”はない」恩師の証言「消耗は宮城大弥の倍以上」
恩師・我喜屋優の証言「消耗は宮城の倍以上」
大学とプロでは思うような成績を残せなかった島袋だが、野球への取り組み方やトレーニングへの理解度がピークを迎えたのはプロ時代だと語る。トルネードという変則モーションゆえに微妙なズレが全体に影響を及ぼしてしまった可能性について尋ねると、「今思うとそうかもしれない。当時はそういう感覚はなかったですけど」と、当事者というよりも指導者の目線で冷静に分析した。 ダルビッシュ有や田中将大を育てた名伯楽として名高く、ソフトバンクでピッチングコーチとして島袋を見ていた佐藤義則にも訊いてみた。 「ブルペンで投げると、いい球がアウトコースにバチっとくる。でもバッターが立つと、どうにもこうにもならん。コントロールを矯正するため、プレートに対して左足が斜めに入っていたのをプレートにピタっと揃えるようにしたがダメだった。技術云々より、心の部分が……」 興南高校時代の監督でもある我喜屋優は、島袋と宮城の違いについて解説してくれた。 「背の高さは同じぐらいで、ただ宮城のほうがちょっと体重があるのかな。島袋はトルネードのフォームからイチ・ニ・サンで投げ下ろす感じ。宮城は相手のタイミングを崩し、いわゆる“綺麗なフォーム”でバッターに振らせないタイプ。島袋の場合は、球は速いけど意外と長打も打たれるピッチャーで、どっちかと言えばごく普通の選手が努力によってあそこまで行った。春夏の甲子園がちょっと目一杯だったかな、という感じはします。宮城は高校野球でほとんど消耗せずに余力を残して、高卒でプロへ行った。この差があるんですよ」 島袋は春夏連覇の甲子園で合計1472球投げており、高校1年の夏と2年の夏しか甲子園に出ていない宮城の「倍以上は消耗している」と我喜屋は語る。高校野球の3年間の疲れを取らないまま、中央大で1年春から主戦投手となってしまったことも災いしたという。 「せめて1年間ぐらいは回復期間が欲しかった。それもできず、おまけにあの変則モーションだから、コーチによって何やかんやと直されがちな選手。対して宮城はそんなに消耗していないし、あとは筋力とスタミナつければもうあのままいってもよし。その違いが、あの2人にはあるのかなと」
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