オーナー夫婦は“異色の経歴” 妻は有名雑誌の元編集長・夫は大手メーカー研究職で小説家 妖怪のまちで飲食店オープンのワケとは?
元々食べることやお酒が大好きな博樹さんは、様々な場所に足を運んではメモをとる、研究熱心な性格。 それが高じて、なんと、田んぼと酒蔵を舞台にしたミステリー小説「山田錦の身代金」(山本薫名義)も出版したといいます。 化学系エンジニア、小説家の先生から飲食店オーナーへ…まさに異色の転身です。 一方、妻・洋子さんもまた驚きの経歴の持ち主。 山本洋子さん 「私は『オレンジページ』というところで生活情報誌の編集を約20年しておりました。玄米採食ですとか日本酒ですとか、そういう日本の発酵調味料や良い伝統食を紹介するような本の編集に携わっていましたね」 なんと、幅広い年代から大人気の生活情報雑誌「オレンジページ」に長年携わり、編集長もつとめていたといいます。 日本各地の食材を積極的に紹介してきた経験から、現在も各地で講演会や雑誌の連載を行っている洋子さん。 料理を「評価する側」から「作る側」になった今も、その経験が役立っています。 常連さんは 「博樹さんは研究熱心で、探求心がものすごく強くて。提案したり教えたりしたことにすごく興味を持ってくれて、なんでも試してくれる、そんなドクターです」 「洋子さんは見ての通りとても明るくてポジティブで、ご主人とすっごく仲良しですね」 博学多才、異色の経歴の2人。 なぜ境港で店のオープンに至ったのでしょうか? 山本洋子さん 「東京では、下北沢のマンションに住んでたんですけど、コンクリートなんですよね。それでずっとこのコンクリートで一生終えるのかなって、ゾッとしたんですよ。 境港とは考えないで、全国の色んなところ、海の近くで住みたいなっていうのが最初なんですけどね。この土地を見つけてくれたのが博樹さんで」 海の近くで、土の上に木造の家を建てたい。 そんな2人の夢をかなえるため、秋田や広島、新潟、全国さまざまな場所が候補に挙がりました。 その中から最終的に選んだのが、洋子さんの生まれ故郷でもある「境港」だったのです。
洋子さん 「紅葉してるよー」 博樹さん 「すごいねぇ、島根半島が秋になってきましたね。」 洋子さん 「やっぱり冬が近いね、風が冷たいね」 移住してみて、豊かな自然や食材、境港が持つ地域としての魅力を日々感じているという二人。 博樹さん特製のスコーンとワインを持って、お気に入りの場所に出かけることもしばしばです。 洋子さん 「どうかなぁ今日の焼き加減…うんうん!腕上げたねえ!」 博樹さん 「イイ感じですね!」 63歳で移り住んだこの土地で、山本夫婦のセカンドライフはまだ始まったばかりです。
山陰放送