【Q&A】自動運転に不可欠。レーダーじゃない「LiDAR(ライダー)」っていったい何?
現在の主流は小型のソリッドステート式LiDAR
3Dで測定・検知を行う車載用のLiDAR(3D検知)は、かつては360度全方位の検知を行うため大掛かりな機械式回転軸をもつものが主流だった。ルーフの上に行燈のような形の大きな装置を載せた試験車両を記憶している方もいるだろう。現在は回転機構を省くことで急速に小型化が進み、複数のLiDARを搭載することで360度検知を実現するようになってきた。 現在、車載用LiDARの主流はソリッドステート式と呼ばれるタイプ。半導体技術や光学技術によって回転機構を排して小型化を実現している。回転軸がないためレーザー光の照射範囲が限られているが、非常に小型で取り付け場所の自由度が高いうえに機械的な故障がない。車載用にはうってつけのLiDARであり価格もこなれてきているので、360度センシングのために複数台数を取り付けることも珍しくはない(レクサスLSはデンソー製LiDARを4つ搭載)。 自動運転の進展とともに、LiDARの果たす役割は今後さらに重要になる。なかでも自動運転に不可欠となる高精度三次元地図情報の生成にはLiDARの存在が不可欠だ。刻々と変化するさまざまな交通情報を紐づけたものを「ダイナミックマップ」と呼ぶが、この情報をリアルタイムで収集するのがLiDARの役割だ。さらなる進化が期待されている。