AIにはハイブリッドデータ基盤が必要不可欠--ClouderaのCEOが自信
--ビッグデータからAIの時代となり、Clouderaの潜在ユーザー層は変化しているのでしょうか? Sansbury氏:以前、データとアナリティクスはIT組織内の非常に技術的な領域だったため、Clouderaのユーザーもそのような技術者が中心だった。 しかし、ビジネスユーザーはアナリティクスをもっと活用したいと考えている。現在、Clouderaはビジネスユーザーがビジネス価値を拡大できるユースケースに注力し、AIの統合などで使いやすさを向上させている。 今回のイベントでは、音声でSQLクエリーを生成するデモを行った。今後も使いやすさの向上に注力していく予定だ。 --データプラットフォームとしてどのようなビジョンを描いていますか? Ricky氏:Clouderaは、他の選択肢よりも優れた拡張性、管理性、所有コストを提供するデータプラットフォームとして注力してきた。 エンタープライズAIにおいて、企業が必要とする機能には、ハイブリッド性、データアクセス、モデルアクセスがある。 ハイブリッド性とデータアクセスに関しては、企業は自社のデータやコンピュート、ワークロードをパブリッククラウド、プライベートクラウド、デスクトップのどこでも実行できるプライベートAIを構築できるようになる。Clouderaは、「NVIDIA NeMo」「Amazon Bedrock」、Cohere、Anthropic、Googleの「Gemini」、Snowflakeなど多様なプラットフォームと連携できる。新しいモデルが日々登場し、最適なモデルも変わっていくため、用途に応じて柔軟にモデルにアクセスできる機能はますます重要になるだろう。 --戦略における3つの優先事項として、ハイブリッド、モダンデータアーキテクチャー、エンタープライズAIを掲げています。この3つを実現するに当たって、課題はどこにあると感じていますか? Ricky氏:Clouderaは3つの優先事項を順調に進めており、CDPへの移行も進展している。現在、年間経常収益(ARR)の95%がCDPに関連したものになっている。エンタープライズAIには10年以上取り組んでおり、改善の余地はあるものの順調に進んでいる。 課題は顧客が直面している問題だ。技術の進化が加速しており、全ての企業が最新技術にアクセスできるわけではない。多くの企業がスキル不足に悩んでおり、レガシーのデータウェアハウスからの移行に取り組む顧客も多い。 例えば、ClouderaはIcebergをサポートしている。相互運用性の利点からIcebergの利用は広がっているが、Icebergのスキルや知識を持つ開発者を確保するのは容易ではない。 --日本市場について教えてください。日本は成長している市場の1つとのことですが、成長はどこからきているのでしょうか? Sansbury氏:8月にシンガポールで「EVOLVE24 APAC」を開催した際には、日本企業も多く参加した。日本では金融、通信、製造などの業界で上位企業がわれわれの技術を利用している。AIに関しては、北米や欧州よりも急ピッチで進めようとする顧客もある。AIは間違いなく成長のエンジンになる。 Ricky氏:日本市場の特徴として、日本企業は北米と比較するとパブリッククラウドへの移行が遅れており、データがオンプレミスに残っている。これを活用しようという動きが活発だ。そこでクラウドオンリーではない、われわれのデータプラットフォームは魅力的に映っている。 日本の特徴のもう1つがスーパーアプリ。スーパーアプリとは複数のワークフローやエージェントを使って複雑な処理をするもので、それには大量のデータが必要になる。このようなスーパーアプリの文化があるのは日本と中国ぐらいで、Clouderaはこのような基盤としても利用されている。 (取材協力:Cloudera)