無差別殺傷想定し訓練 JRと警察・消防が合同で 鴨川(千葉県)
JR東日本千葉支社は5日、鴨川警察署と鴨川消防署と合同で、鴨川市のJR安房鴨川駅(石井孝典駅長)を会場に、列車内での無差別殺傷事案と大津波警報発令を想定した訓練を行った。関係機関を含め120人が参加し、有事の対応や連携を確認した。 無差別殺傷事案の訓練は、乗客40人を乗せた2両編成のワンマン列車が、太海方面から同駅に向けて走行中、男性不審者1人が刃物で乗客を切りつけ、負傷者が多数発生したとの想定で展開。列車が同駅で停車すると、さすまたを持った駅員2人が距離を保ちながら不審者の動きを制止した。 その後、駆け付けた警察官3人が犯人を制圧し、車内の安全を確保。消防隊員が重軽症者10人のトリアージを行い、同駅前に設置した救護用テントで応急処置に当たった。 また、大津波警報発令を想定した避難訓練では、駅員らが乗客40人を津波避難ビルに指定されているイオン鴨川店に避難誘導した。 参加者を対象にした、さすまたの取り扱い訓練も行われた。 石井駅長は「想定外を常に想像することが大切。有事ではマニュアルどおりに動けるとは限らないので、臨機応変に行動できるように一人一人の判断力を強化したい」と話し、今後もさまざまな想定で訓練を行うという。