安楽死を望む女性と親友の最期の数日間 『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』ポスター&予告編
2025年1月31日に全国公開されるペドロ・アルモドバル監督初の長編英語作品『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』の日本版ポスターと予告編が公開された。 【写真】『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』のティルダ・スウィントンとジュリアン・ムーア 『オール・アバウト・マイ・マザー』や『トーク・トゥ・ハー』などの作品を手がけてきたアルモドバル監督の最新作となる本作は、病に侵され安楽死を望む女性と、彼女に寄り添う親友の最期の数日間を描く物語。 第81回ヴェネチア国際映画祭では最高賞にあたる金獅子賞を受賞した本作。10月28日から11月6日まで開催された第37回東京国際映画祭では、ワールド・フォーカス(ラテンビート)部門でジャパンプレミア上映され、全3回の上映回がすべて満席となった。 重い病に侵されたマーサ(ティルダ・スウィントン)は、かつての親友イングリッド(ジュリアン・ムーア)と再会し、会っていない時間を埋めるように病室で語らう日々を過ごしていた。治療を拒み自らの意志で安楽死を望むマーサは、人の気配を感じながら最期を迎えたいと願い、“その日”が来る時に隣の部屋にいてほしいとイングリッドに頼む。悩んだ末に彼女の最期に寄り添うことを決めたイングリッドは、マーサが借りた森の中の小さな家で暮らし始める。そして、マーサは「ドアを開けて寝るけれど もしドアが閉まっていたら私はもうこの世にはいない」と言い、最期の時を迎える彼女との短い数日間が始まるのだった。 マーサ役で主演を務めたのは、ウェス・アンダーソン監督作品やジム・ジャームッシュ監督作品の常連で、『フィクサー』でアカデミー賞助演女優賞に輝いたティルダ・スウィントン。『アリスのままで』でアカデミー賞主演女優賞に加え、世界三大映画祭すべてで女優賞を受賞したジュリアン・ムーアがイングリッド役で共演し、2人のオスカー女優が親友同士を演じた。そのほか、ジョン・タトゥーロ、アレッサンドロ・ニボラらが出演している。 公開された日本版ポスターには、マーサとイングリッドの顔が対となり、似通いながらも異なる人生を歩んできた2人の女性の時が重なり、共鳴する一瞬の美しさを表すような構図となっている。 予告編では、死を覚悟したマーサと、彼女の最期の願いを叶えようとするイングリッドの特別な関係性が垣間見える。「雪は世界中にかすかに降り続ける。すべての生者と死者の上に」というマーサの言葉が表すように、映画の舞台となるニューヨークの美しい街並みに幻想的に降り積もる雪のカットが印象的な冒頭からはじまり、マーサとイングリッドがともに過ごす数日間が描かれている。さらに、ある男性(ジョン・タトゥーロ)がマーサとイングリッドの過去に関わるキーパーソンとして登場。安楽死を望むマーサは「ドアを開けて寝るけれど、もしドアが閉まっていたら私はもうこの世にいない」と口にし、イングリッドは毎朝ドアを見つめる。果たして彼女たちが行きつく結末とは。 なお、本作のムビチケオンライン券は 11月15日より販売され、購入者限定特典として、ポスタービジュアルと鑑賞記録がセットになった「ムビチケデジタルカード」がプレゼントされる。
リアルサウンド編集部