中村憲剛さんの引退試合で企画されている「けんござんまい」

　川崎フロンターレ一筋で１８年間プレーし、２０２０年末に現役を退いた元日本代表の中村憲剛さん（４３）の引退試合が１２月１４日、古巣の本拠地であるＵｖａｎｃｅとどろきスタジアムｂｙＦｕｊｉｔｓｕで開催される。 　「ＮＡＫＡＭＵＲＡ　ＫＥＮＧＯ　ＦＩＮＡＬ」と銘打たれた引退イベントの概要が２０日夜に発表され、豪華メンバーとの競演や”ガチプレー”時間の設定による真剣勝負、大人気漫画「キングダム」との特別コラボユニホーム、大手すしチェーン「すしざんまい」との共催イベント「けんござんまい」、公式練習を公開する前夜祭、元なでしこジャパンの澤穂希さんらが出場するエキシビションマッチなど、従来の引退試合とは別次元の多種多様なプログラムが満載。中村さんは「川崎の皆さんに恩返しをする１日、感謝を伝える１日。多くの方に”引退試合”に参加していただき、楽しんでいただけたらうれしい」と話した。 　引退試合では、日本代表時代のチームメート「ＪＡＰＡＮフレンズ」が２チームに分かれて前半４５分を戦い、後半は川崎の現役選手やチームメート、ＯＢが集う「ＫＡＷＡＳＡＫＩフレンズ」が２チームに分かれて対戦する。 　「ＪＡＰＡＮフレンズ」には楢崎正剛さん、内田篤人さん、稲本潤一さん、小野伸二さん、大久保嘉人さん、我那覇和樹さんらが出場予定。「ＫＡＷＡＳＡＫＩフレンズ」には、「川崎の太陽」と称された元エースのジュニーニョさんがブラジルから駆けつけて参戦する。後半２５分からは「ガチプレータイム」として、引退試合では異例とも言える真剣勝負の場が設けられ、中村さんは「これまでやってきたことを存分に出せるように設定させていただいた。やるしかない」と意気込んだ。 　「ＪＡＰＡＮフレンズ」のユニホームは、中村さんと親交のある人気漫画「キングダム」の作者、原泰久さんにデザインを依頼。「中村憲剛が武将として存在していたら」―というテーマから、特別に書き下ろした中村さんの甲冑（かっちゅう）姿が描かれている。 　「ＫＡＷＡＳＡＫＩフレンズ」のユニホームは、２０１１年の東日本大震災以来、川崎の復興支援活動をきっかけに交流が続く岩手県陸前高田市出身の菅野朔太郎さんがデザインを手がけた。 　コロナ禍だった２０２０年１２月、中村さんは盛大な引退セレモニーで送り出された。ただ、当時は声出し応援が禁止され、自身の応援歌は録音されたものが流された。 　中村さんは「ファン、サポーターの皆さんに気持ちよく歌っていただいて試合をする機会をもう１回、やりたいという気持ちが芽生えた。封じていた思いが一気にわき出てしまった」と引退試合を企画した経緯に触れ、「みんなで楽しめる１日にしたい。恩返しも含めて、素晴らしい１日にしたい」と語った。 　中村さんの強い意向で、引退試合の収益は川崎市のスポーツ振興のために寄付されるという。