愛之助の代役、壱太郎が初役で5役を踊り分け
京の冬の風物詩「當る巳歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」が1日、京都市東山区の南座で開幕した。 昼の部は、プッチーニのオペラを題材に、中村壱太郎(34)がお蝶を演じる新作歌舞伎「蝶々夫人」で幕開け。 黙阿弥の七五調の台詞が聞きどころの「三人吉三巴白浪」に続き、「大津絵道成寺」では、上顎および鼻骨骨折で休演の片岡愛之助(52)の代役を務める壱太郎が、初役で5役を踊り分けた。 華やかな藤娘、さわやかな若衆姿の鷹匠、中村虎之介(26)が演じる犬と戯れる軽やかな座頭、粋な船頭、荒々しい鬼へと次々変化して早替りも見せる舞踊劇。その鮮やかな変化ぶりに客席からは感嘆の声が上がった。 昼の部の最後は、夫婦の変わらぬ愛情を描く感動作「ぢいさんばあさん」。 愛之助が出演予定だった夜の部の「色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ)」は、中村萬太郎(35)が代役を務める。22日まで。