おせちで能登応援 石川の百貨店、商戦スタート 金沢エムザ、カタログで特集 香林坊大和、前年増の7種類
石川県内の百貨店でおせち商戦がスタートした。能登半島地震や奥能登豪雨の被災地を応援しようと、能登の食材を取り入れた商品が目立ち、金沢エムザ(金沢市)はカタログに特集ページを掲載。大和(同)も能登にちなんだ商品を前年より増やして7種類とした。来年の元日で震災発生から1年となることから、両社とも全国に向けた配送サービスに力を入れ、関係者は「おせちを通じて支援の輪が広がってほしい」と期待した。 ◇ ◇ 金沢エムザは23日、地下1階に特設売り場を設置。午前中から常連客らが続々と訪れ、見本を眺めながら、好みの品を選んだ。 担当者によると、今年の年始は新型コロナの5類移行で家族での帰省が増え、おせちも好調だった。10月1日に開始したインターネット予約の受け付けは、その前年並みに推移しているという。 カタログでは巻頭特集で「能登のおせち」をPR。七尾市の「ブロッサム」「ヴィラデラパーチェ」、輪島市の「ラトリエドゥノト」の三つのレストランのシェフが監修した数量限定の「復興おせち」(3万5640円)などを扱っている。 全国に配送できる冷凍おせちにも、石川の料理店が監修した商品を用意するなど地元のラインアップを強化した。担当者は「県外の人にも石川の味を楽しんでもらい、少しでも被災地の復興につなげたい」と話した。 香林坊大和は11月1日から店内に特設売り場を置く。七尾市和倉温泉のホテル海望が監修した和洋おせち(2万4840円)が初登場するほか、北陸新幹線の敦賀延伸に合わせ、和倉、山代、あわらの3温泉の旅館がコラボしたおせちなどを加えた。リバーリトリート雅樂倶(がらく)(富山市)などの有名店の料理人が富山湾の食材をふんだんに使って仕上げた和洋3段重も取り入れた。 オンラインでの受け付けは3日から。新たな取り組みとして、QRコードを読み込むと配送状況を問い合わせることができるサービスを始める。 百貨店関係者によると、材料費の高騰に伴い、おせちの価格は例年より高めで、年配の人が好む和風おせちや、子ども向けのオードブルなどが人気となっている。