櫻坂46三期生の表題曲初センター…19歳の逸材 山下瞳月が森田ひかる、藤吉夏鈴らから受け継ぐ系譜
さらに覚醒するダンスパフォーマンス
23年10月発売の7thシングル『承認欲求』では、初めて選抜メンバーに三期生が4人抜擢され、山下はセンター森田の隣であるフロントという重責を担った。海外の音楽賞授賞式でも披露された同曲は、グループ史上最高難易度の高速ユニゾンダンスが特徴的だが、山下は先輩に引けを取らないパフォーマンスを堂々と見せつけていた。加入から早い段階でメンバーとなったからには、オタク目線ではなく、自身がファンの期待に応える側という覚悟を持った山下はここからさらに覚醒していく。 23年11月に開催され、ZOZOマリンスタジアム史上最高動員を記録した櫻坂46の3周年ライブ『3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE』、24年3月から敢行されているアリーナツアー『4th ARENA TOUR 2024 新・櫻前線 –Go on back?–』では、『静寂の暴力』でステージのセンターに立った。山下の憂いを帯びた表情から始まり、歌い出しまでの極めて長い“タメ”で会場中のペンライトが消え、それまでコールで盛り上がっていた大観衆が“静寂”に包まれる。そして、情熱ほとばしるダンスに圧倒され、場内が大きな拍手に包まれる一連の光景は、山下の場を飲み込む吸引力が無ければ成り立たないと言っても過言ではないだろう。 櫻坂46のこれまでの表題曲センター5人の系譜を振り返ると、カップリングを含めたセンター曲で、ダークでクールな系統の楽曲から、可愛いアイドルソングという両極端な楽曲に対応できる振り幅の広さを持っている。森田であれば『承認欲求』に対して『君と僕と洗濯物』、田村であれば『流れ弾』に対して『ドローン旋回中』、藤吉であれば『Start over!』に対して『なぜ 恋をして来なかったんだろう?』といった具合だ。 山下も『静寂の暴力』に対し、自身のセンター曲ではないが三期生曲の『何度 LOVE SONGの歌詞を読み返しただろう』などで愛らしくキュートなパフォーマンスを見せてきた。9thシングル楽曲は未解禁ながら、そのどちらがきても山下は櫻坂46表題曲センターの系譜を受け継ぐことが出来るだろう。 来月には、加入から約1年半で、観客席にいた山下が“推しメン”の田村、守屋の両サイドのフロントに囲まれ、9th表題曲センターと東京ドーム公演に挑む。ファンは、いちアイドルオタクの奇跡のシンデレラストーリーを目撃することとなったのだ。
こじらぶ