リリー・フランキー×錦戸亮、初共演映画で「すごい」「ずるい」と称え合う 10年以上前からプライベートで親交
――監督はどんな方でしたか? 【リリー】めっちゃ穏やか。 【錦戸】優しいです。 【リリー】本当に優しいし、すごく礼儀正しい。いま思うと、パトリック監督とカメラマンのマーク(撮影監督のマーク・ウルフ)さんって、毎日、絶対襟付きの服で現場に来ていたよね。イギリスでの撮影していたのは、(2021年の)真夏だったんですけど。 【錦戸】確かにそうですね。 【リリー】イギリスといえばジェントルマンのイメージがあるしね。なんか古風なんだよね、パトリックは。日本人が忘れてる礼儀正しさがある。錦戸くんも古風なんですけど、ちょっと違う感じで古風。 ――錦戸さんが古風というのは? 【錦戸】僕、古風ですか?僕はわからないですけど…。 【リリー】イギリスに行った時、自分でごはん炊いていたところとか。 【錦戸】自炊はしていましたね。 【リリー】撮影現場のケータリングの料理が「おいしかったよ」と言っても、「拙者はこれで結構」みたいな感じで、自分で握ったおにぎりを食べていた。時々、パトリック監督の分も握ってきて。そういうところ、ちょっと侍感ありましたね。 ――仕事で海外に行く時はいつも? 【錦戸】渡航前にある程度調べて、滞在するホテルの近くに和食レストランがあるなら日本食は持って行かないですけど、今回はコロナ禍で隔離期間(5日)もあったし、絶対にお米が食べたくなると思って持って行ったんです。 【リリー】日本に帰るまでにお米を食べ切ろうとしてんだよね。 【錦戸】食べ切りました(笑)。 ――また一緒にものづくりがしたいですか? 【錦戸】もちろん!次は親子じゃない役で、という思いと、もう1回親子役でもいいなという思いもあります。 【リリー】一緒に作品つくりたいですよね。今回はすごくシリアスな親子だったので、次はバカ親子もいいかもね。
■映画『コットンテール』について パトリック・ディキンソン監督は、学生時代にオックスフォード大学と早稲田大学で日本映画を学び、日本に非常に造詣が深く、今回、自身の母親を看取った経験を元に日本人男性を主人公にした脚本で長編劇映画デビューを飾った。 長年人生を共に歩んできた妻・明子(木村多江)に先立たれた兼三郎(リリー・フランキー)は、明子の「イギリスのウィンダミア湖に遺灰を撒いてほしい」という最後の願いをかなえるため、長らく疎遠だった息子の慧(錦戸亮)とその妻・さつき(高梨臨)たちとイギリスへと旅立つ。しかし、互いに長年のわだかまりを抱えた兼三郎と慧はことあるごとに衝突し、兼三郎は単身ロンドンから湖水地方に向かうのだが、途中、道に迷い、途方に暮れる羽目に。やがて兼三郎は亡き妻に導かれた旅の果てに、人生の最も大切なことと向き合っていく。