進路指導で「介護職員じゃなくて看護師になれ」 “低収入・排泄の世話ばかり”という先入観も… 5人に1人が75歳以上「2025年問題」迫る 「今変えないと間に合わない」介護業界の現状とは?
「きょうのお昼はなんですか?」 「きょうのお昼は麻婆豆腐でーす」 えるだーの昼食の時間。 食事は毎日職員が持ち回りで、時には利用者も一緒に作ります。 「いただきます」 「きょうもごちそうありがとうございます!」 通常、嚥下食・減塩食が多い介護施設の食事ですが、えるだーの食事はちょっと違います。 えるだー 黒松慶樹さん 「私たち職員が食べておいしいレベルの塩加減とか味付けとかを目指しています。 もちろん内部疾患、肝臓とか腎臓とかそういったことで塩分気を付けてくださいねという方もいます。 だけど、好きなものが食べられない、味の薄いものしか食べられない…これはダメあれはダメだけだと、やっぱり食欲って失せるし、食べる意欲もなくなっちゃうんですよね」 柔らかさなどには気を遣いつつも、「おいしさ」、そして「食べる楽しさ」にもこだわっています。 利用者 「きょうもおいしいです」 「みんなと一緒に食べるとな、おいしいよ。一人ぼっちで食べるよりかな、ほんとみんなと食べる方がおいしいのよ。」 厳しい状況にある介護の仕事。 それでも… セカンド・サロンえるだー 黒松慶樹さん 「国が介護職員の処遇改善にテコ入れ始めていますので、介護職員の給料というのは以前と比べれば徐々に上がりつつあるんですよね。 介護職員の本来の仕事っていうのはご利用者の人生の最後に関わることが多いです。 最後にその人がその人らしく生きられるように、介護職員って生活の質を高めるための専門職だと思っているので、作業の部分にだけ目を当てるんじゃなくて、私たちが何をしているのかっていうところに目を向けてほしいなと思います。」 誰もが老いていく人生の中で、欠かすことができない「介護」の仕事。 私たち一人一人が、そのあり方についてより真剣に考えていかなければ なりません。 セカンド・サロンえるだー 黒松慶樹さん 「今介護職員を増やして、介護に携わる人が増えて、認知症の人が近くのおうちにいたりしても大丈夫な社会、安心して認知症にしていかなければ。社会全体が介護とか認知症に目を向けてくれるといいかなと切に思います。」
山陰放送