詐欺被害者の電子マネーを不正チャージ ゲーム課金で「特殊詐欺捜査課」の巡査部長を免職
特殊詐欺事件の被害者が購入した電子マネーを不正に使用したとして、大阪府警は7日、電子計算機使用詐欺容疑で、府警特殊詐欺捜査課の岸野浩史巡査部長(42)を書類送検し、同日付で懲戒免職処分とした。起訴を求める「厳重処分」の意見をつけた。巡査部長は「被害者に申し訳ないことをした。警察官の自覚が足りなかった」と供述しているという。 府警によると、巡査部長は府警茨木署刑事課に勤務していた昨年12月~今年2月、特殊詐欺事件の60~70代の被害者2人が犯人側にだまされて購入させられた電子マネーカードを悪用。自身のスマートフォンに取り込んで計約80万円分を使用できる状態にした疑いが持たれている。 悪用された電子マネーカードはコンビニで販売されているもので、カードに記された16桁の番号を取り込むと、アプリ内で支払いのチャージなどに充てることができる。 約80万円分の電子マネーのうち約1千円分が、巡査部長のスマホゲームの課金などに使われていたという。 巡査部長は当時同署で特殊詐欺事件の捜査を担当。電子マネーカードの画像が記載された捜査資料を不正に利用し、無断で自身のスマホで読み込んでいた。巡査部長は「カードの残高を確認するためと容疑者側に渡るのを阻止したかった。現金化して返済しようとしたができなかった」と説明しているという。 今年度、他の捜査員が被害者の電子マネーカードの残高照会をアプリ運営会社にしたところ、巡査部長の名前でチャージされていることが判明し、発覚した。 府警の津川浩徳監察室長は「警察に対する信用を著しく失墜させる事案で誠に遺憾。指導教養を徹底し、再発防止に努める」としている。